ITEM2015 横河医療ソリューションズ ブースレポート
より深い連携で読影業務をサポートする「ShadeQuest/Report」などPACSの新機能を紹介
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2015-4-28
横河医療ソリューションズブース
横河医療ソリューションズは,『つながる、深く、新しく』をテーマとして,昨年のITEM2014より広くなったブースでは,トライアングルをモチーフにしたカラフルなデザインで,システム間のより深い連携,ユーザーとのつながりを印象づけた。展示内容としては,横河医療ソリューションズの持つ画像診断業務や医療情報管理を支援する「ShadeQuest」シリーズについて,PACS,レポート,RIS,治療RISの各ソリューションの新機能を中心に紹介した。今年の展示では,ユーザーの要望をもとに読影業務を支援する機能を強化した「ShadeQuest/DIAG」と「ShadeQuest/Report」を中心に大きくアピール。さらに,放射線部門での研究や教育をサポートする新しい情報管理システムとして「ShadeQuest/book」を紹介した。そのほか,クラウドソリューションの「ShadeQuest/Unlimited」,院内の診療情報の2次利用を支援する「ShadeQuest/Monolith」など,横河医療ソリューションズの信頼性と高い技術力を生かしたソリューションを幅広く展示した。(4月18日取材)
●PACS:快適な読影業務を可能にする「ShadeQuest/DIAG」と「ShadeQuest/Report」
PACSコーナーでは,読影用画像ビューワのShadeQuest/DIAGと所見レポート作成システムのShadeQuest/Reportで構成された読影端末を展示して,新しい機能を中心に紹介した。
近年4MPや6MPなどの大型ワイドモニタが登場し,従来の2モニタの構成を1画面で表示できるようになっているが,ShadeQuest/DIAGではタイル表示の奇数分割への対応や画面上部のサムネイルも2列で横に並べて表示できるなどワイドモニタに対応した表示機能を強化した。一方で,タイル表示とウインドウを連結した大きな一面の表示を組み合わせることも可能で,従来からの2面構成での画像表示方法のパターンも保持したまま,ワイドモニタの表示に対応したさまざまな機能を追加している。そのほか,マンモグラフィの読影ではトモシンセシス画像との連動や5種類の比較読影表示に対応するなどの強化が図られた。また,計測機能の強化として,球体体積やフリーハンド計測の追加や,計測結果のCSV保存など新機能を紹介した。
ShadeQuest/Reportでは,これまで画面の4:3表示から16:9表示に対応してきたが,今回の展示では縦型モニタに対応したポートレイト表示を紹介した。ワイド画面では表示領域は広がるが,画像端末と並べて設置すると,左右の視線移動が大きくなる。縦置きにすることで表示領域は保持したまま,より使いやすい読影環境を構築できる。また,ShadeQuestシリーズでは,ビューワとレポートシステムの連動性を高める機能の追加を行っており,複数のキー画像を選択したレポートへの添付や,キー画像への文字の自動挿入など,効率的な読影を可能にする機能を搭載した。さらに,所見のテキストとキー画像を簡単にリンクできる“HyperLink”機能を搭載し,所見のテキスト(“図1”など)のリンクからワンクリックでキー画像へジャンプ,さらにキー画像からPACSの元画像への簡単に移動できるようになっている。
また,放射線科医が作成した所見を,主治医(依頼科)が参照したかどうかを確認できる“依頼科参照確認”機能が新たに搭載された。読影医は,早めの対応が必要な所見があるレポートについて,主治医に対してコメントで確認を促せるほか,主治医側は確認ボタンで既読を知らせることができる。レポートシステムでは,この参照確認の情報を一覧で表示でき,未読の場合にはアラートを送ることも可能になっている。そのほか,患者IDのコピー&ペーストが可能になり電子カルテなど他システムでの検索をサポートしたり,画像診断医間で気になる情報を共有できる“所見メモ”機能など,読影業務を支援する機能を充実させたことをアピールした。
●ガイドラインやキー画像など必要な情報を登録・利用できる「ShadeQuest/book」
ShadeQuest/bookは,放射線部門における教育・研究や,症例データベース,カンファレンスの記録など業務に必要なデータを収集し,スタッフ間での情報共有を可能にするアプリケーションである。PACSやレポートシステムと連携して画像やテキストを利用できるほか,文字情報やPDFなどを作成して保存することができる。例えば,収集した症例データからのティーチングファイル作成や,IVR症例集の整理,キー画像を貼り付けたカンファレンスの議事録作成,各種ガイドラインの保存やTNM・病期分類などを登録しておくことで,いつでも簡単に参照が可能になる。また,ストックしたデータを学会発表などに利用する際には,“note”機能によって匿名化を行って安全に利用することができる。ShadeQuest/bookは,放射線科医に必要な情報の収集と利用を,いかにストレスなく,手間なくできるようにする仕組みであり,PACSやレポートなど他のシステムとも連携して簡単に利用することが可能になっている。
●セキュリティを担保して画像情報の利用を可能にするゼロフットプリントビューワ「ShadeQuest/ViewAir」
ShadeQuest/ViewAirは,ゼロフットプリント方式の画像ビューワでモバイル端末を利用して画像サーバのデータ活用を可能にする。ゼロフットプリントによって端末にデータを持たないほか,インターネットVPNの利用や匿名化処理などで,セキュリティを担保した安全な環境で院内・院外での画像利用を可能にする。患者名やIDから検索して画像データを取得し,2D,3D(VR),MIP/MPRでの画像表示が可能で,2画面の分割表示(連動あり)や拡大・縮小,ウィンドウレベルの調整など基本的な操作に対応しており,タップや画面上での指のスライドなどタブレットのユーザーインタフェイスで直感的に利用できるのが特長だ。
●治療RIS:治療でのチーム医療をサポートするRIS,ビューワの機能をアピール
日本の放射線治療の現場のチーム医療をサポートするシステムとして開発されてきた横河医療ソリューションズの治療RISだが,ITEM2015では放射線治療部門情報システム「ShadeQuest/TheraRIS」と,放射線治療部門画像ビューワの「ShadeQuest/ViewRT」を紹介した。ShadeQuest/TheraRISでは多職種で活用できる専用画面の提供など,ShadeQuest/ViewRTではカンファレンスや院内,キャンサーボードなど治療計画画像を活用した運用ができることなどをアピールした。
●お問い合わせ先
横河医療ソリューションズ株式会社
住所:〒167-0051 東京都杉並区荻窪4-30-16 藤澤ビルディング
TEL:03-6383-6273
URL:http://www.yokogawa.com/jp-mis/