FEATURE
治療対応MRIシステムの今
2015-9-25
脳腫瘍手術を支援する術中MRIは1993年に米国で始まり,日本国内では2000年に滋賀医科大学と東京女子医科大学に導入された。2014年までに17施設で稼働するに至り,多くの知見を積み重ね,有用性に関するエビデンスを築いてきた。現在,安全かつ有効な運用を目的として,日本術中画像情報学会から世界初となる「術中MRIガイドライン」(http://jsii14.umin.ne.jp/guideline.html
)が公開され,英語版も含め整備中である。
日立メディコは,東京女子医科大学に術中MRI第1号機となる0.3TオープンMRIを納入。現在までに国内10施設(高磁場装置2施設,凍結治療対応を含む)で治療支援のためのMRIが稼働し,中低磁場/高磁場装置,1ルーム/2ルームレイアウトの全タイプの術中MRIシステムを提供している国内で唯一のメーカーである。術中MRI先駆者として同社は「手術主体で安全に撮像できること」を重視し,漏洩磁場範囲が狭く,患者移動が短距離で,高感度なソレノイド受信コイルを使える“中低磁場オープンMRI・1ルーム式”システムを提案している。そして,術中MRIシステムのニーズを的確に把握し,普及を促進するため,2014年10月に「トータルソリューション部」を新設。周辺機器も含めたトータルソリューションとして術中MRIシステムをグローバルに提供する体制を整えた。
本特集では,日立メディコ社製オープンMRIを導入し,優れた成果を上げている施設に,術中MRIを用いた脳腫瘍手術の現況について取材した。
CONTENTS
01 東京女子医科大学先端生命医科学研究所
02 名古屋大学病院脳神経外科
03 鹿児島大学病院脳神経外科
04 国立がん研究センター中央病院