保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)は,2013年1月11日(金),第18回JAHIS講演会&賀詞交換会をコクヨホール(東京都港区)で開催した。開催に当たって挨拶した浅野正治総務会長(日本IBM)は,JAHISの会員企業は9社増えて356社となり,今後保健・医療・福祉分野における役割もますます大きくなってきていると述べた。
第1部のJAHIS講演会では,最初に青木順運営会議議長(NEC)が「年頭にあたっての抱負」を述べた。JAHISの活動として,五者会(厚生労働省,経済産業省,総務省,医療情報学会,JAHIS)において“電子カルテ印刷に関する議論”を行ったこと,モダンホスピタルショウをはじめとする展博への出展,教育事業,標準化活動などを紹介し,2013年度の取り組みとしては“中期計画2015”の実現に向けた運営基盤の強化などを進めていくと述べた。JAHIS会員企業の2011年度の売上高は初めて5000億円を超え(5076億円),ヘルスケア領域におけるICTの需要がますます高まっていることを示している。
講演会は,気象予報士の第1期生としてニュースステーションなどで活躍した河合薫氏による「上司と部下のストレス学」が行われた。河合氏は,東京大学医学系研究科健康社会学の修士課程,博士課程を修了し,現在は健康社会学者として産業ストレスなどについて研究を行っている。JAHIS調査委員会の「医療IT従事者労働調査」では,3年間共同で調査,研究を行った。講演では,ストレスの多い現代社会における職場の人間関係について,SOC(Sense of Coherence:首尾一貫感覚,イスラエルの健康社会学者,アーロン・アントノフスキーが提唱した概念)や,業務の“有意味性”などについて,キャビンアテンダント時代の自身のエピソードなども交えてわかりやすく解説した。
第2部の賀詞交換会では,JAHISの遠藤信博会長や,関係省庁,学会から来賓が多数出席して挨拶し,政権交代後の医療・福祉分野におけるJAHISの役割への期待の言葉が贈られた。 |