シーメンス・ジャパン(株)は2011年8月20日(土),ロイトン札幌(北海道札幌市)において,「Digital Mammography Advanced Seminar」を開催した。このセミナーは,乳がん診療の現場で広がりつつあるデジタルマンモグラフィについて,その仕組みや撮影技術,読影方法などを学ぶ場として設けられた。同社では,このようなセミナーを今年7月に東京でも「第2回Breast Imaging Workshop」として設けている。当日は,放射線科医と診療放射線技師,約80人が参加した。
同社のヘルスケアプロダクト事業部XP-SPマーケティング部部長の岡野晶彦氏の挨拶に続いて,基調講演が行われた。基調講演の講演者は東北大学大学院医学系研究科医学部保健学専攻画像診断技術学分野教授の石橋忠司氏。演題名は「デジタルマンモグラフィの現状」であった。石橋氏は,デジタルマンモグラフィ検診の有用性について触れた上で,同社の「MAMMOMAT Inspiration」によるトモシンセシスや,各社のFPDの特徴など,技術解説を行った。また,石橋氏は,デジタルマンモグラフィの読影で重要となるモニタについても,技術の最新動向を説明した。
これに続き,超音波診断装置「ACUSON S2000 ABVS」の紹介が行われ,その後,グループごとに分かれてプログラムが進行された。医師向けのプログラムでは,「読影のポイント講習」をテーマに,国立がん研究センターがん予防検診・研究センターの内山菜智子氏が講師を務め,「syngo MammoReport」を用いたトモシンセシスの読影のポイントなどについて,症例を示しながら,参加者が診断をしていく形で進められた。
また,診療放射線技師向けのプログラムでは,2つのグループに分けて「デジタルマンモグラフィの基礎講座」と題した技術解説と,ポジショニング検討会が行われた。「デジタルマンモグラフィの基礎講座」では,FPDの仕組みなどの解説が行われたほか,アナログとデジタルの違いなどの解説があった。また,ポジショニング検討会では,MAMMOMAT Inspirationと「MAMMOMAT 3000 Nova」が会場内に設置され,ベテランの診療放射線技師が講師を務め,検診業務における疑問点などを参加者から聞きながらアドバイスを送った。 |