GEヘルスケア・ジャパン(株)は5月13日(金),赤坂パークビル(東京・港区)において,2011年の事業戦略と新製品を発表する「ヘルシーマジネーションEXPO」を開催した。GE社は,2009年に発表したグローバル戦略であるヘルシーマジネーションの積極的な推進により,超高齢化社会における人々の健康やQOLの向上を支援する“ヘルスケアカンパニー”をめざしている。ヘルシーマジネーションEXPOでは,ヘルシーマジネーションの現状と2011年度の事業戦略,同戦略を推進する4つの新製品が発表された。
はじめに,GEヘルスケア・ジャパン(株)代表取締役社長兼CEOの熊谷昭彦氏がヘルシーマジネーションについて概説し,医療現場の真のニーズに応えるという観点から製品・ソリューション開発を行った結果,2010年度にはCTやMRI,超音波診断装置などで,日本の市場にマッチした優れた製品が開発されたと述べた。また,これを受けて,同社取締役副社長/ヘルスケア統括本部長の川上 潤氏が,2011年の同社の成長戦略として,超高齢化社会にヘルシーマジネーションを具現化したソリューションを提供する“Silver to Gold戦略”について詳述。In Japan for Globalをコンセプトに日本発の技術を積極的に製品開発に展開するほか,診療科別,疾患別のソリューションの提供による医療行為の効果向上,プライマリーケア医療に必要な技術/ツールの提案,超高齢化社会を見据えた新分野への展開などを行っていくことで,名実ともにヘルスケアカンパニーをめざすと説明した。さらに,東日本大震災における医療インフラ復興の新しいモデルづくりに貢献するために,今後も継続的かつ中長期的な提案を行っていきたいと述べた。
続いて,4つの新製品について,各部門の担当者から特長が紹介された。
ヘルスケア統括本部MI & CTセールス&マーケティング部長の竹内昌平氏は,CT検査の被ばく線量を一般撮影並みに低減可能な新開発のCT用画像再構成技術“Veo”を紹介した。Veoは,画像再構成時間を短縮するために従来は簡略化していた画像演算を,CT装置における幾何学的影響まで組み込んで緻密に行う技術。これにより,画質を大幅に向上しながら,1mSv以下の低被ばくを実現した。同社CTの最上位機種である「Discovery CT750 HD」との接続が可能で,大学病院や地域基幹病院などを中心に提供されるという。
アジア・パシフィックMRゼネラルマネージャーの藤田 健氏は,国内初の四肢専用1.5T MRI「Optima MR430s」を紹介した。きわめてコンパクトかつハイスペックを両立しており, 2台目以降のMRIとして導入しやすい装置となっている。藤田氏は,高齢者やスポーツ整形領域での応用が期待されており,全身用との使い分けによって,より効率的な診療が可能になると説明した。
超音波本部Women's Healthcareマーケティング部長の江尻 昭氏は,産婦人科向け超音波診断装置「Voluson S8/S6」の2機種を紹介した。普及型装置でありながら,ハイエンド装置で培った高品質かつ高速な3D/4D表示を継承しており,周産期におけるリアルタイムの三次元エコー検査の標準化を実現する装置となっている。経済性,設置性,操作性にも優れており,日本の市場に合致した装置であると述べた。
クリニカルプロダクト本部Monitoring Solution部長の大澤徹貴氏は,同社ベッドサイドモニタの新ブランドとして「CARESCAPE」を発表し,その第1弾として「CARESCAPE ベッドサイドモニタ B650」を紹介した。同社はこれまで,循環器領域向けの「マルケット」,手術室向けの「データックスオメダ」の2ブランド体制で製品展開を行っていたが,CARESCAPEではこれらのプラットフォームを融合し,幅広いケアエリアに対応していくと述べた。
新開発のCT画像再構成技術“Veo” |
四肢専用1.5T MRI「Optima MR430s」
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産婦人科向け超音波診断装置
「Voluson S8/S6」 |
ベッドサイドモニタ「CARESCAPE」 |
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