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取材報告

2011
シンコム・システムズ・ジャパンが
「Cincom Healthcare セミナー Vol.5」を開催

東日本大震災被災地での看護状況も報告されたパネルディスカッション
東日本大震災被災地での看護状況も
報告されたパネルディスカッション

  パッケージソフトウエアの開発・販売を行うシンコム・システムズ・ジャパン(株)は2011年4月8日(金),アップルストア銀座(東京都中央区)で「Cincom Healthcare セミナー Vol.5」を開催した。同社は,これまでアップルストア銀座で医療・介護・福祉分野におけるITの活用をテーマにしたセミナーを開催してきた。今回は,訪問看護におけるITの活用をテーマに,3月11日に発生した東日本大震災の被災地での訪問看護の状況や,災害時の訪問看護におけるITの活用などについて,パネルディスカッションが行われた。

  パネルディスカッションに先立ち,ヘルスケアICT企画部の浦川 修氏が,米国の医療制度について解説を行ったほか,同社米国法人が手がける,訪問看護サービス大手のAmedisys社の事例を紹介した。

  パネルディスカッションでは,国際医療福祉総合研究所長・国際医療福祉大学大学院教授の武藤正樹氏,全国訪問ボランティアナースの会キャンナス代表の菅原由美氏,シンコム・システムズ・ジャパン代表取締役マネージングディレクターの石村弘子氏が登壇した。

  まず菅原氏が,東日本大震災の被災地で訪問看護のボランティア活動を行った時の状況について報告。環境が整っていない中での訪問看護の問題点などを説明した。また,菅原氏は,救援物資のミスマッチなども,かえって被災者たちの生活を困難にすることがあると述べた。一方で武藤氏は,国際医療福祉大学病院が被災者の診療を行った際,お薬手帳がなく,診療や処方に影響しているという問題点を指摘。米国の退役軍人省が提供する個人の健康情報にアクセスできるブルーボタン機能のような仕組みが日本にも必要だと述べた。このほか武藤氏は,米国の訪問看護についても触れ,事業者に対しP4P(Pay for Performance)で報酬が支払われる制度を導入したことで,再入院率の低下など質の高いサービスを提供できている状況を紹介。日本の訪問看護においても,P4P導入に向け,質の評価指標の確立などが重要だと説明した。

  この後,会場との質疑応答が行われ,訪問看護現場でのITの導入方法やインセンティブについての考え方について,意見が交わされ,パネルディスカッションは終了した。


●問い合わせ先
シンコム・システムズ・ジャパン株式会社
セミナー事務局
TEL 03-3438-2792
http://www.cincom.co.jp/


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