7月15日(水),「国際モダンホスピタルショウ2009」が開幕した。東京ビッグサイト東展示場(東京・江東区)を会場にして,17日までの3日間の日程で開かれる。36回目となる今回のホスピタルショウのテーマは,「いのちの輝きを! 明日に架ける健康・医療・福祉」。初日の15日には,9時30分から開会式が行われた。この開会式の中で,主催者の(社)日本病院会の会長である山本修三氏は,世界的な経済不況の中にあって,出展者数の激減が予想されたが,300社を大きく上回る企業が出展したと述べ,医師不足や医療崩壊などの危機から脱却し,明るい医療となるよう未来に向けてメッセージを届けたいと挨拶した。続いて,同じく主催者である(社)日本経営協会の理事長である本松茂敏氏から,出展者数と展示構成について紹介があった。
今回のホスピタルショウでは347社が出展した。昨年の出展者数は375社であり,山本氏の挨拶にあったように“激減”ではなかったものの出展者数が減少した。展示構成は,医療機器・環境設備,医療情報システム,看護,健診・ヘルスケア,施設運営サポート・サービス,介護の6つのゾーンに分けて構成される。また,主催者企画展示として「いのちの輝き,地球の輝き,医療人の輝き 地球環境にやさしい病院づくり」が設けられた。これに連動する形で,企画展示コーナーでは,「快適な施設づくりのための省エネ・空調衛生・におい対策コーナー」と題し,快適な施設づくりを提案していく。このほか,展示コーナーでは「医療画像ソリューションコーナー」などが設けられた。医療画像ソリューションコーナーでは,出展企業のプレゼンテーションが行われたほか,「かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)」の展示もあった。
厳しい経済状況の中,出展者数が減少したホスピタルショウであるが,それについて落胆の声は少ない。会場を見学に訪れた保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)会長の桂田昌生氏は,「医療情報システムの市場は堅調に伸びている。政府の補正予算も追い風になる」との見方を示した。実際の展示においても,地域医療連携など,補正予算が投入される分野に対応した医療情報システムの展示に力を入れている企業が見られた。最大手の富士通(株)は,第二世代の電子カルテシステムとしてリリースした「HOPE/EGMAIN-GX V2」と地域連携をメインにPRを行っていた。「HOPE/地域連携」や携帯電話で順番末の案内をする外来情報システム「Hospision」,医療現場録音システム「ケアボイス」などを出品。診療所から大規模病院,健診センター,介護施設などトータルでカバーできる強みも強調していた。
また,地域医療連携への財源投入により,市場が広がることが予想される遠隔画像診断についても,PACSメーカーが遠隔読影システムを紹介していたほか,アレイ(株)などがIHEのPDI(portable data for imaging)準拠のCD/DVDシステムといった画像連携の製品を出品していた。
一方で,医療機関では,電子カルテシステムの保存されない,大量に発生する書類の管理が課題になっているが,こうした状況を踏まえて,文書管理システムも登場してきた。(株)SBS情報システムは,厚生労働省の電子的診療情報交換推進事業(SS-MIX)による医療用文書電子化ソリューション「PrimeRreort」を出品した。また,富士フイルムメディカル(株)と富士ゼロックス(株)もDACS(document archiving and communication system)と位置づけられる「診療記録統合管理システム」を強力にPRしていた。
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