GE横河メディカルシステム(株)は,東京ファッションタウン西館TFTホール(東京都・江東区)で10月25日(土),26日(日)の2日間にわたり開催された日本超音波医学会第20回関東甲信越地方学術集会のランチョンセミナー(25日)において,フルデジタル汎用超音波診断装置「LOGIQ」ブランドの最上位機種となる「LOGIQ E9」を国内初公開した。LOGIQ E9は,同社の超音波診断装置では数年ぶりのフルモデルチェンジであり,日本の超音波診断装置市場においてNo.1の地位をめざす。ランチョンセミナーで行われた今回の製品発表は,来場者に事前予告されていないサプライズとして企画された。講演に先立ち,GEヘルスケアダイアグノスティック・ウルトラサウンド&IT事業部バイスプレジデントのテリー・ブレゼンハム氏が壇上に登場して挨拶を行った後,製品の披露と特長の説明が行われた。
「人に優しい」が製品コンセプトのLOGIQ E9は,画質,診断精度,検査者の操作性の向上と患者の負担軽減を高い次元で融合した装置。新たなプローブの採用などでBモード画像の画質を向上させた。これにより,表在部から体内深部までの広範囲にわたり,均一な高精細画像の描出を可能にした。さらに,現在の超音波診断装置による造影検査の課題である深部の感度向上と不必要な組織の抑制を実現する「Amplitude Modulation」機能により,肝腫瘍の鑑別診断や治療効果判定における精度も向上する。このほか,CTやMRIなどの画像とLOGIQ E9の画像を同一画面に表示し,リアルタイムな画像の比較を可能にする「Volume Navigation」機能や,印をつけた部位を撮影中に追跡して表示するGPS機能を搭載しているほか,検査手順をプログラム化し,ワンタッチでの検査を実現する「Scan Assistant」機能などを搭載している。
製品披露に続いて,栃木県立がんセンター画像診断部の関口隆三氏が,「次世代超音波技術を使った新たなる臨床価値のご提案」と題して,LOGIQ E9の使用経験について発表した。関口氏は,乳がんや甲状腺,頸部リンパ節,腹部領域のほか,肝細胞がんや転移性肝腫瘍のソナゾイド造影超音波検査の画像など,多数の症例画像を示し,大幅な画質の向上が図られていることを強調。ソナゾイド造影超音波検査については,体表近くのマイクロバブルの破壊が少ない,Penetrationの改善が図られており深部まで明瞭に造影されている,プローブの周波数の変更が可能なため肝臓全体をくまなく観察することができる,などと説明した。最後に,LOGIQ E9で得られる高画質な画像と,Volume NavigationやGPS機能など新たに搭載された機能の有用性を改めて評価して講演を締めくくった。 |