● LAVA
T1強調GRE法は2DのFSPGRに始まり、“LAVA”の登場により3D再構成が可能になるまでの進歩を見せている。LAVAは、脂肪の共鳴周波数に最適化されたIRパルスを照射し、そのNull Point近傍で集中的にデータ収集を行うことで、広範囲の優れた脂肪抑制を実現している。多時相かつ高分解能な2D画像をはじめ、高精細な各種3D再構成画像が得られることが特長である(図1)。
さらに進化した“LAVA-XV”では、12chボディ・アレイ・コイルと、ASSETに代わるGEMという新しいパラレルイメージングを使用している。GEMでは位相方向とスライス方向の両方に加速できるほか、キャリブレーションスキャンが不要になり、撮像時間の大幅な短縮が可能となった。そのため、1回の呼吸停止で全腹部をカバーできるほか、約0.8mmのisotropic voxel imagingによって高分解能、高い画像コントラストが得られ、膵管や痔瘻などの非常に複雑な走行も3D再構成で明瞭に描出できる(図2)。
次に、“LAVA-DE”(3D Dual Echo)(W.I.P.)では、MEDAL(W.I.P.)という再構成法を用いて、1回の撮像でIn-Phase、Out-of-phase、水画像、脂肪画像を同時に得ることが可能となった。脂肪を含むHCC(図3)や、脂肪肝、副腎腺腫、皮様嚢種の診断、腎の微小なAMLの診断や脂肪量の測定にも有用である。 |