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「日本発」をテーマに,第37回日本神経放射線学会が開催 |
第37回日本神経放射線学会は2月14日(木)、15日(金)の2日間にわたり、メルパルク横浜にて開催された。北里大学医学部放射線科の菅 信一氏が大会長を勤め、「日本発」をテーマに、招待講演、シンポジウム、一般口演、ランチョンセミナーなど、76題の口演発表および64題のポスター展示が行われた。
本学会は神経放射線医学に携わる会員の研究発表や知識交換、国際交流の場として設立され、2007年4月現在の総会員数は660名を数える。37回目の今回は、多くの会員から研究成果が報告されるとともに、日本の神経放射線医学分野における診療、研究、教育の現状を検証し、いかに世界に発信していくかについて、さまざまな角度から検討が行われた。
招待講演は、小野由子氏(東京女子医科大学神経放射線科)が座長を務め、Timo Krings氏(University
Hospital of the University of Technology, Aachen,
Germany)が「Modern Imaging of the Spine and Spinal Cord:MRA,
DTI and BOLD fMRI」と題して講演を行った。
シンポジウムは三木幸雄氏(京都大学大学院医学研究科画像診断・核医学科)と松村 明氏(筑波大学脳神経外科)が座長を務め、「日本からの発信」をテーマに、4名のエキスパートによる学会のあり方への提言がなされた。山田 惠氏(京都府立医科大学大学院医学研究科放射線診断治療学)は、「米国での経験をもとに」と題して講演し、神経放射線領域における日本の国際的な評価を上げていくためには、活発な施設間交流・人材交流や、海外での影響力を高めるための組織力の強化が必要であると強調した。片田和広氏(藤田保健衛生大学医学部放射線医学教室)は、「CT開発とNeuroradiology」と題して講演し、RSNA2007で発表され話題を呼んだ面検出器CTの開発に至るまでのCT開発の歴史や経緯、CTが神経領域に与えた医学的インパクトなどについて詳述し,企業と共に開発を行うことの困難さを訴えた。「Neurointervention 日本からの発信」と題して講演を行った滝 和郎氏(三重大学大学院脳神経外科)は、自身の経験を通して、承認に時間がかかる日本の薬事承認制度の課題について触れ、医療機器開発をスムーズに行うための施策として、臨床試験から保険収載に至るまでの実施ガイドラインを学会として作成していく必要があるとの考えを示した。最後に、宮坂和男氏(メディカルイメージラボ)は、「明日への提言」と題して研究と教育のあり方をテーマに講演し、積極的な国際学会への参加や学術誌などへの活発な論文発表、施設内・施設間の研究協力を望むとともに、東南アジアへの教育の発信や学会の国際化が重要であると提言した。
このほか、モーニングセミナーやポスターツアーが行われ、会員同士が活発に意見を交わす姿が見られた。
*GEYMSのランチョンセミナーの詳細はこちら。
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