|
画像処理ワークステーションによる三次元再構成画像 |
64列MDCTでは、1ミリ以下の薄いスライス厚の等方性ボクセルデータから三次元再構成される多断面MPR(multiplanar
reconstruction)像やボリュームレンダリング(VR)像を作成しています。それにより診断能が大幅に向上し、腫瘍の進展範囲、血管解剖情報の詳細な評価が可能になり、IVRや手術の治療方針決定、術前のシミュレーションに役立っています。術前のマッピングのための血管造影が、上記のような三次元再構成画像(3D-CTA)にかなり置き換えられるようになりました。
同院では64列MDCTと同時に、三次元画像処理ワークステーションを3台導入。うち2台はGE社製「Advantage
Workstation」です。世界でNo.1のシェアを誇る「Advantage Workstation」について、現状の商用機では最も優れていると村上教授は評価しています。ちなみに2台目の「Advantage
Workstation」は、各診療科共有で研究用に導入したものということです。
同院のPACSは、2008年には更新される予定で現在の容量には限度があり、画像データをすべて保存することができない状況です。そこでGE社と相談し、0.47TBの画像専用サーバを設置して、CTのrow
dataや二次元画像データを一時的に保存することにしました(1か月で自動更新)。約1か月の間に作成した三次元画像データと7ミリスライス厚の二次元画像データのみをPACSサーバに残しています。同院は一般撮影のFPD化により、今年の4月から完全デジタル・フィルムレス化が実現します。
|
「Advantage Workstation」で三次元画像を作成する山田浩司技術係長
64列MDCT導入前、三次元画像は必要とする医師に自分で作成してもらっていましたが、MDCTには三次元画像診断が欠かせないものであり、
Workstationの高性能化やソフトの充実も後押しして、中央放射線部の技師が担当することになりました。心臓の三次元画像も含めて、1日に5件くらいのペースで作成。肝臓のMPR像やVR像は、1件につき数分、クリック3回くらいで簡単に作成できます。依頼科の医師にはオンラインで画像データを転送し、モニタ上で回転させたりして閲覧してもらっています。 |