hinotori™ サージカルロボットシステム
メディカロイド
手術支援ロボット
「人に仕え,人を支える」存在をめざして開発された,執刀医の繊細な手の動きを実現する手術支援ロボット
手術支援ロボットhinotori™ サージカルロボットシステム(以下,hinotori™)は,産業用ロボットメーカーの川崎重工業株式会社と医療機器・試薬メーカーのシスメックス株式会社の合弁会社である株式会社メディカロイドが開発および製造販売を行っています。2020年8月に厚生労働省より泌尿器科での使用において製造販売承認を受け,同年12月には前立腺全摘除術の初臨床を行い,その後も臨床数を積み重ねてきました。2022年10月には消化器外科,婦人科への適応拡大についても承認を取得し,臨床使用を開始しています。国内外の医師の意見・要望を反映させた基本設計に加え,手術をデジタル化するネットワークサービスにも力を入れています。今後は患者様,医療従事者の方へさらなる安心・安全をお届けできるような要素技術を追加で導入しhinotori™を進化させていきます。
- オペレーションアームは人の腕のようなサイズ・滑らかな動きをコンセプトに開発しました。一般的な産業用ロボットより多い8軸の関節により柔軟なアーム姿勢をとることができ,手術中のアーム同士やアームと助手との干渉軽減に貢献します。
- インストゥルメントの動作支点をソフトウエアによって制御することにより,トロカールスリーブ周辺の保持機構を不要とし,助手の手元作業空間を広く確保できます。手術中の緊急時にも速やかにロボットの退避が可能です。
- サージョンコックピットは,執刀医の体格や姿勢にあわせて3Dビューアの位置や角度,アームレストの上下およびフットユニットの前後の位置調整を可能とし,長時間におよぶ手術において執刀医の疲労軽減に貢献します。ハンドコントロールの軽さも,執刀医の好みにより4段階から選択が可能です。
- 川崎重工業が産業用ロボット開発で培った技術を取り入れました。安全性の確保においても同様で,アクチュエータおよび入出力の制御は,イネーブルスイッチ押下中および執刀医が3Dビューアをのぞきこんでいる間のみロボットの動作を可能とし,その入力は川崎重工業の動作監視安全ユニット“Cubic-S”で二重監視されています。
- ネットワークプラットフォーム「MINS™(Medicaroid Intelligent Network System)」を標準搭載し,手術中のロボットの動作データやログを記録・蓄積するなど手術のデジタル化を実現しました。MINS™を通し,安心してhinotori™をお使いいただけるサポート体制を構築しています。今後は安全・効率的な手術室の活用支援,手技の伝承支援など高付加価値なコンテンツを提供します。
- 2023年1月時点では,泌尿器科,消化器外科,婦人科での使用を対象として厚生労働省より製造販売承認を受けています。
・サージョンコックピット
(執刀医が3Dビューアをのぞき込みながら,手や足の操作で3Dビデオスコープやインストゥルメントを操作する装置)
・オペレーションユニット
(サージョンコックピットの操作で,実際の手術を行う装置)
・ビジョンユニット
(サージョンコックピットに表示する映像の統合や,音声のコントロールを行う装置)
・付属品
・ピボットポインタ
・ドレープアダプタ
・グリップリリースレンチ
・インテグレーションケーブル(VU‐SC用)
・インテグレーションケーブル(VU‐OU用)
・電源ケーブル
・ESU接続ケーブル(タイプ1)
・ESU接続ケーブル(タイプ2)
- オペレーションユニット:オペレーションカート,タッチパネル,アームベース,オペレーションアーム(アーム),アームコントローラ,インストゥルメント・内視鏡
- サージョンコックピット:3Dビューア,タッチパネル,アームレスト,ハンドコントロール,フットユニット
- 基本的にロボット本体の大幅なモデルチェンジは行わず,機能追加やアプリケーションの追加を行うことでhinotori™を進化させていく。
- ネットワークプラットフォーム「MINS™(Medicaroid Intelligent Network System)」により取得したデータを活用したアプリケーションを開発中であり,順次市場へ提供していく。
- 24時間365日体制のコールサポート
- 日本全国をカバーする東西サービス拠点よりエンジニアを派遣し,即座にトラブル解決を行う訪問対応
- hinotori™の運用支援や,安全・効率的な手術室の活用支援,手技の伝承・継承支援を目的としたネットワークプラットフォーム「MINS™(Medicaroid Intelligent Network System)」によるリモートサポート。トラブル発生時には,サポートセンターで術中のログデータをリアルタイムにモニタリングすることに加え,hinotori™の稼働状態をバーチャル空間で三次元的に再現することでロボットの動作や術者の操作を視覚的に把握し,迅速な原因究明とトラブルシューティングをガイドする。
ネットワーク接続が可能な標準設計を生かし,遠隔ロボット手術支援への実証実験を開始している。本取り組みが実現できれば,都市部から地方で勤務する医師への指導等が可能となり,医療の均てん化に貢献できる。
●お問い合わせ先
株式会社メディカロイド
兵庫県神戸市中央区港島南町1丁目6-5 国際医療開発センター6階
TEL / FAX 078-303-8770/078-303-8778
https://www.medicaroid.com
担当部署 経営企画部