2021-4-13
4月にスタートしたSEIREI-CARE
プログラムについて紹介された
コニカミノルタ(株)と社会福祉法人聖隷福祉事業団は,遺伝子検査を用いた未病検診プラットフォーム「CAREプログラム」を2021年4月に開始した。CAREプログラムは,コニカミノルタグループの米国Ambry Genetics社が2020年から米国で展開する遺伝子診断サービスを日本向けに開発したもの。既発症者ではなく,未病の検診受診者を対象とするものとしては日本初となる。聖隷福祉事業団では,4月1日より独自の新しい個別化検診「SEIREI-CAREプログラム(SEIREI Comprehensive Assessment, Risk and Education Program)」としてスタートし,まずは婦人科検診受診者を対象に提供する。2021年4月12日(月)にはオンライン説明会が開催され,関係者らがプログラムの詳細や今後の展開について紹介した。
SEIREI-CAREプログラムは,聖隷健康診断センター(静岡県浜松市)の未発症の検診受診者を対象に,科学的根拠に基づいた人工知能(AI)チャットボット問診で遺伝学的保因リスクが高いグループを効率的に抽出。遺伝カウンセリングや遺伝学的検査を行った後,個別化がん検診を提案する。遺伝カウンセリングは,連携機関である聖隷浜松病院臨床遺伝センター(静岡県浜松市)や京都⼤学医学部附属病院遺伝⼦診療部(京都市左京区)がオンライン形式で提供する。当初は遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)のみが対象だが,いずれは大腸がんなど,対象のがん種を拡大する予定だ。
説明会に登壇した聖隷健康診断センターの入駒麻希氏は,プログラムの概要を紹介した上で,「SEIREI-CAREプログラムの“CARE”は,『遺伝学的保因リスクに関する知識と包括評価』を意味している。本プログラムは,がんの早期発見だけでなく,遺伝性がんに関するリテラシー向上にも貢献するものだ」とその意義を強調した。また,日本乳癌検診学会理事長の丹黒 章氏は,ビデオメッセージを通じて同プログラムを次世代の検診を体現するものとして評価し,学会としても同事業を全面的に支援したいと述べた。さらに,コニカミノルタ専務執行役の藤井清孝氏は,今回の聖隷福祉事業団との協業について,同社のプレシジョンメディシン事業の一つの到達点であり,同時に出発点でもあると述べ,今後のさらなる発展への意気込みを示した。
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説明会では,そのほかに聖隷福祉事業団の理事/専務執行役員/保健事業部長の福田崇典氏や聖隷浜松病院副院長/放射線科部長/PETセンター長の増井孝之氏,聖隷横浜病院乳腺センター長の徳田 裕氏らも登壇し,少人数でも質の高いサービスを提供可能な「聖隷DX(デジタルトランスフォーメーション)」を推進し,胸部X線画像診断⽀援AIの活用やマンモグラフィ診断⽀援(CAD)と超音波併用乳がん検診などの実現に向けた取り組みを行っていることなどが紹介された。
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●問い合わせ先
コニカミノルタジャパン(株)
TEL 03-6324-1080
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