2019-2-13
GEヘルスケア・ジャパン(株)とゲティンゲグループ・ジャパン(株)は,同社の自走式据置型血管X線撮影装置「Discovery IGS 7 OR」とカラム手術台システム「マグナス手術台」を組み合わせたハイブリッド手術室向けの新たなソリューションの販売を開始した。それに伴い,2019年2月6日(水)にゲティンゲ エクスペリエンスセンター 東京(東京都江東区)で共同記者発表会が開催され,両社のパートナーシップや展望が紹介されるとともに,Discovery IGS 7 ORをはじめとする新製品が披露された。
Discovery IGS 7 ORは,同社の「Discovery IGS 730 ASSIST」の後継機。自走式のCアームを採用し,天井レールが不要なため,天井からのエアーフロースペース(垂直層流)が確保され,室内を清潔に保てる。また,オフセットCアーム設計や干渉回避機構の採用により,安全性と機動性を両立。Cアーム,手術台,skull clampが完全同期するほか,CアームのX線管とFPDの距離(SID)は129cmという広い開口径を実現し,安全かつスムーズな手技を支援する。なお,FPDは主に心臓向けの30cm,下肢など多目的用の40cmをラインアップしている。搭載されるアプリケーションは,“3Dロードマップ”のほか,ハイブリッド手術向けとして,大動脈ステントグラフト挿入術用“EVAR ASSIST”,経カテーテル的大動脈弁置換術用“Valve ASSIST2”,カテーテルインターベンション用“Vessel ASSIST”などが用意されている。
記者発表会では,まずゲティンゲグループ・ジャパンの代表取締役社長である山下秀明氏が,空調などを含めた手術室全体のトータルコーディネートを提案する同社の事業について紹介し,手術室設備・機器メーカーとco-architectを推進し,より多くの施設への展開を図りたいと展望を語った。
続いて登壇したGEヘルスケア・ジャパンの代表取締役社長兼CEOの多田荘一郎氏は,高齢化に伴う併存疾患の増加が引き起こす治療の複雑化や,病院収益構造の変化,働き方改革といった日本の医療環境の変化の中で,プラットフォームの共有やパートナーシップにより,高度な治療や個別化医療を安全かつ効果的・効率的に行うことが重要であるとした。そして,ゲティンゲグループ・ジャパンとのパートナーシップにより,安全性や経済性に加え,高度化・複雑化する医療にも対応できる柔軟性を備えた手術室の共創に取り組んでいきたいと述べた。
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続いて,GEヘルスケア・ジャパンインターベンショナル営業推進部部長の森 孝広氏が,新しいソリューションについて解説した。森氏は,Discovery IGS 7 OR導入によるハイブリッド手術室の可能性について述べた上で,同社が新たに開発した外科用CアームX線撮影装置「OEC One」を含む多彩なCアームラインアップとゲティンゲグループ・ジャパンの手術台との組み合わせにより,さらに多用性を追究できると期待を示した。
また,NPO医療施設近代化センター常務理事/元東京医科歯科大学大学院非常勤講師の岩堀幸司氏による,ハイブリッド手術室の効率化についての講演も行われた。岩堀氏は,手術室と血管撮影室の両方の機能を持つハイブリッド手術室は,術前・術後の確認と治療を一貫して行うことが可能で,効率的な運用により,医療施設にさまざまな利点をもたらすと指摘。さらに,これからのハイブリッド手術室に求められる特徴の一つとして多様性を挙げ,あらゆるポジショニングや高精細3D撮影にも対応可能な多目的手術室などが有用であると述べた。また,今後は人工知能(AI)を活用した手術室運営が行われる可能性を示唆し,講演を締めくくった。
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