2018-6-4
“cSound”採用のハイエンド装置「LOGIQ E10」
GEヘルスケア・ジャパン(株)は2018年6月1日(金),GEジャパン(株)の赤坂パークビル13階エジソンルーム(東京都港区)において,「超音波検査による膵臓がんの早期発見に向けて〜ハイリスク患者の絞り込みと超音波診断装置がもたらすインパクト〜」と題したプレスセミナーを開催した。この場において,汎用超音波診断装置の最上位機種となる「LOGIQ E10」も発表された。
新製品のLOGIQ E10は,エヌビディア(NVIDIA)の高性能GPUを搭載し,画像処理をソフトウエア上で行う新しいイメージフォーマー技術“cSound”を採用している。cSoundは,膨大な送受信データを高速かつリアルタイムで演算処理し,全深度・全視野でピクセルレベルでの焦点合わせが可能である。これにより,近位部の画質が向上して,均一な高分解能画像を得られる。また,LOGIQ E10のプローブには,日本で開発され定評のある「XDclear」が組み合わされる。XDclearは,電気信号と音の変換効率が良いシングルクリスタル(高密度単結晶)を採用したことなどにより,深部から浅部まで高画質を実現する。さらに,モニタにはバックライトを使用しない有機ELモニタを用いることで,撮像された高画質データを高精細に表示する。
LOGIQ E10に採用されたcSoundは,血流表示にも寄与している。“B-Flow”の基本性能が高くなったほか,CFM,PDIでの感度や分解能,フレームレートが向上した。血流表示に関する機能としては,“Auto Doppler Assist”の搭載により,ROIの位置などをワンボタンで調整することが可能である。これにより,検査効率も向上する。加えて,“Shear Wave Elastography”もcSoundにより,スピーディに測定できるようになった。このほか,静止画・動画像をrawデータで保存可能など,データマネジメントにおいて優れた利便性を有している。
プレスセミナーでは,LOGIQ E10の評価を行った飯田市立病院消化器内科部長の岡庭信司氏が,「膵がん早期発見に ハイリスク患者の絞り込みと超音波診断装置がもたらすインパクト」と題して,講演した。岡庭氏は,わが国における膵がん患者の10年生存率が低いことについて,早期発見が難しく診断時期が遅いことが原因であるとし,がんが転移能を得る前に診断することが重要だと指摘。上皮内がんの場合は,超音波検査による主膵管拡張,囊胞性病変といった所見が発見契機になるとし,膵管狭窄,随伴性膵炎を反映する淡い低エコー領域が検出のポイントであると説明した。さらに,岡庭氏は,膵がんのハイリスク群として,家族歴や糖尿病,膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN),主膵管拡張と囊胞性病変の患者を挙げた。その上で,同院で行っている超音波スクリーニングについて症例画像を交えて紹介し,膵がんの検出には,XDclearのような高周波プローブで,膵管や胆管を拡大観察することが有用であると述べた。
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このほか,プレスセミナーでは,同社クリニカルケア・ソリューション本部長の黒川貴史氏がLOGIQ E10のプレゼンテーションを行った。なお,LOGIQ E10は,6月8日(金)〜10日(日)に開催される日本超音波医学会第91回学術集会で展示され,7月2日(月)から販売開始となる。
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