2016-12-22
キヤノングループ入りが決定した
東芝メディカルシステムズの瀧口社長(右)と
キヤノンの御手洗会長(左)
キヤノンは,2016年12月19日(月),3月17日の株式等譲渡契約締結から進められてきた規制当局による審査が終了し,東芝メディカルシステムズの株式取得(子会社化)を発表した。これについて同日18時よりホテルニューオータニ芙蓉の間で,キヤノン代表取締役会長 CEOの御手洗冨士夫氏と,東芝メディカルシステムズ代表取締役社長の瀧口登志夫氏が出席して会見を行った。
会見では御手洗氏から改めて今回の買収の背景と期待,瀧口氏からキヤノン傘下での今後の事業方針が語られたが,「クリアランスが終わるまで両社の接触は禁じられており,本日発表の方針については互いに初耳」(御手洗会長)と言うことで,両社の事業の具体的な運営や戦略については,今後の検討となる。
会見で御手洗会長は,キヤノンの新しい成長戦略として「安心・安全」領域のネットワークカメラ分野とヘルスケア分野を次世代事業の柱と位置づけており,東芝メディカルシステムズの買収はその中核となるものと述べた。買収による効果として期待されるものとして,新分野への進出の加速,生産技術の共有によるさらなる品質向上,開発力強化による事業領域の拡大などを挙げた。御手洗会長は,「入札前の説明会で瀧口社長から事業方針についてじっくり話しを聞き,“Made for Life”という理念に基づいた事業方針に感銘を受け,当社のグループとして参画してもらいたいと思ったのが買収のきっかけだ。東芝メディカルシステムズについては,キヤノングループ参画後も最大限の独立性を持って経営を進めてもらいたいと考えている」と述べた。
瀧口社長は,Made for Lifeという理念は,同社が持つ技術や医療にかける思いを製品やサービスとしてユーザーとともに実現し新しい価値を提供するもので,創業から100年を超えて受け継がれてきた魂だと改めて説明し,買収の交渉の中でその価値を最大限に評価したのがキヤノンだったと述べた。その上でキヤノングループ傘下での事業方針について,「われわれのミッションは,診療の中で患者さんのためにより効率よく質の高い医療を提供する,そのために必要な情報を収集し,統合し,加工して届けることである。これまでは,画像診断を中心にそのミッションを進めてきたが,医療を取り巻くトレンドが急速に進化する中で個別化医療や医療技術の継続的な進歩を取り込み,柔軟に対応しながら,キヤノングループにおける医療事業をさらに発展させていきたい」と述べた。
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