2016-2-17
祭詞・献花を行う
上田輝久 代表取締役社長
(株)島津製作所は2016年2月10日(水),同社大ホール(京都市中京区)において「第93回レントゲン祭・記念講演」を開催した。2015年3月末に創立140周年を迎えた島津製作所は,レントゲン博士がX線を発見した偉業を讃えるレントゲン祭を,レントゲン博士が亡くなった翌年より毎年行っており,今年で93回となる。
式典では冒頭,同社常務執行役員医用機器事業部長の伊藤邦昌氏が式辞を述べた。伊藤氏は,現在のX線装置は,FPDで画像と透視が統合された形で画像診断が行われており,同時にデジタル技術の進歩により最適な検査画像がスピーディに提供可能となっていると述べた。島津製作所の昨2015年の成果として,トモシンセシスを搭載した一般撮影装置の市場投入により,整形外科領域をはじめ胸部領域にも応用範囲が広がったことを挙げた。また,高度化・複雑化する血管内治療を支援する血管撮影シリーズ「Trinias MiX Package」の市場投入で,より低侵襲な治療を行うことが可能となったこと,全身用PET装置と比較して感度(約10倍)と解像度(約2倍)が向上した乳房専用PET装置「Elmammo」により,痛みのない(乳房圧迫がない)高精細な検査が可能となったこと,分析計測技術の分野では,新生児の血液中の先天性代謝異常の検出,血液中のアミノ酸測定によりがんのリスク分析を行うことが可能になったことなども挙げた。最後に伊藤氏は,X線画像技術を究めるとともに,分析計測技術においても医療分野に貢献し,情熱をもって弛まぬ挑戦を続けていくと述べた。
続いて,代表取締役社長の上田輝久氏による祭詞・献花が行われた。
記念講演では,同社医用機器事業部の後藤泰輔氏が「最新の血管撮影装置Triniasの紹介」と題し,天井走行式,床置式(6軸Cアーム構造)ともに,広い可動範囲を実現した血管撮影装置シリーズ「Trinias MiX Package」を紹介した。特に,インターベンションを支援するSCORE Imagingとして, “SCORE PRO Advance”“SCORE StentView+Plus”“SCORE RSM”“Trace MAP”などのアプリケーションを紹介し,これらを搭載することで被ばく線量や造影剤の低減,治療精度の向上や治療時間の短縮を可能にしたと述べた。
次に,挽地 裕氏(佐賀大学医学部循環器内科准教授)が,「心臓カテーテル治療の最新動向」をテーマに講演した。挽地氏は,冠動脈疾患治療の歴史を紹介し,最近のPCIではさまざまな手技を透視下で行う場面が増えているため,術中の立ち位置を確保し,安全で有効なPCIを実施できる「Trinias」の有用性を強調した。そして,X線画像に含まれるノイズ成分や心臓の拍動で生じる残像を除去し,心血管の視認性を大幅に向上させる次世代画像処理エンジン“SCORE PRO Advance”,心拍などで動くステントなどの治療用デバイスをリアルタイム画像処理技術により静止状態で観察できる“SCORE StentView+Plus”,被ばく低減技術として血管の輪郭のみを自動抽出し,透視画像と重ね合わせて治療をガイドする“Trace MAP”などの有用性を症例を提示しつつ紹介した。最後に,心臓カテーテル治療における新しい課題とその挑戦について述べ,講演を終えた。
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