2015-2-16
会場となった新社屋の大ホール
(株)島津製作所は2月10日(火),昨年2014年に完成した同社新社屋の大ホール(京都市中京区)において,「第92回レントゲン祭・記念講演」を開催した。2015年3月末にて創立140周年を迎える島津製作所は,レントゲン博士がX線を発見した偉業を讃えるレントゲン祭を,レントゲン博士が亡くなった翌年より毎年行っており,今年で92回となる。
式典では冒頭,同社取締役専務執行役員医用機器事業部長の鈴木 悟氏が式辞を述べた。鈴木氏は,X線TVシステムである「SONIALVISION G4」に骨密度測定アプリケーション「Smart BMD」を搭載することで,骨密度を簡単に短時間で精度良く測定でき,骨粗鬆症の診断に必要な検査を1台で行える装置を発表したことを紹介。また,NEDOと共同で開発した乳房専用PET装置「Elmammo」では,従来のマンモグラフィのように検査時の痛みもなく,全身用PET/CTと比較して解像度を約2倍,感度を10倍に向上させ,より小さな乳がんの診断を可能にしたことも紹介した。そして,“X線の島津”として今後も,X線を用いた診断から治療までのさまざまな幅広い臨床ニーズに応えていきたいと述べた。
続いて,代表取締役社長の中本 晃氏による祭詞・献花が行われた。
記念講演では,同社医用機器事業部の三品幸男氏が,「島津製作所の放射線治療分野への取り組み」をテーマに講演した。三品氏は,島津製作所における放射線治療の歴史をはじめ体幹部放射線治療における体内腫瘍の動きなどを解説し,北海道大学と共同で開発した動体追跡システム「SyncTraX」を紹介。SyncTraXは2014年3月,北里大学や山口大学にも納入された。さらに,重粒子線治療における位置決めシステムや小線源治療における位置決め支援システムなども紹介した。
次に,須賀大作氏(兵庫県立粒子線治療センター参与)が,「粒子線治療の最新動向について」と題して講演した。須賀氏は,陽子線と炭素イオン線が使用可能な兵庫県立粒子線治療センターの治療実績を紹介するとともに,今後の課題や取り組みについて述べた。そして,国内の粒子線施設の現状や新しい陽子線治療装置のコンセプト,位置決めに必要とされる機能などを紹介した。
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株式会社島津製作所
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