2015-7-6
会場風景
(株)日立メディコは2015年7月4日(土),富士ソフトアキバホール(東京都千代田区)にて「第2回Hi Advanced MRセミナー」を開催した。Hi Advanced MRセミナーは,楕円形ガントリを特徴とする「OVALシリーズ」を中心とした超電導型高磁場MRI装置の画質やアプリケーション,最新技術を紹介するとともに,臨床評価や有用性,可能性について講演を通じてユーザーに情報提供・共有を行うことを目的に,昨2014年に初めて開催された。
冒頭に,日立メディコ取締役営業統括本部長の伊藤義文氏が開会挨拶に立った。伊藤氏は,セミナー参加への感謝を述べるとともに,ユーザーの支援を得て,ニーズの高まる高磁場装置の開発に取り組み,製品をさらに進化させていきたいと挨拶した。
セミナーの司会は髙橋俊行氏(昭和大学大学院保健医療学研究科)が務めた。初めに,日立メディコから最新情報提供として,MRIシステム本部担当本部長の尾藤良孝氏が「Hitachi Advanced Technology」と題して発表した。尾藤氏は,大開口径MRI装置のハードウエアの特長を説明するとともに,2015年4月に発売されたシステムソフトウエア「ORIGIN 5」の特長機能を紹介。拡散尖度イメージング“Diffusion Kurtosis Imaging(DKI)”やTOF/GrEに対応した動き低減機能“All Round RADAR”などについて,原理を解説して画像を提示した。さらに,現在開発中の新技術について開発状況を紹介した。
講演では,はじめに工藤與亮氏(北海道大学病院放射線診断科准教授)が「3T TRILLIUM OVALの実力と将来性」と題して講演した。北海道大学病院では,2014年11月からTRILLIUM OVALが稼働を開始している。前半では,他社製装置画像との画質比較や各種シーケンスの画像を提示して臨床上の有用性を説明し,後半では,最新の研究開発の実際として,定量的磁化率マッピング(QSM)と酸素の安定同位体(o-17)を用いた脳血流検査について紹介した。
2題目に,後閑武彦氏(昭和大学医学部放射線医学講座放射線科学部門教授)が「泌尿器・婦人科領域のMRI診断」を講演した。後閑氏は,腎疾患,尿管疾患,副腎疾患,前立腺疾患,そして卵巣腫瘤に類似する卵巣外病異変を取り上げ,それぞれの疾患について分類や診断法を説明し,文献も紹介しながらMRI診断のポイントについて解説した。
セミナーの閉会にあたり,日立メディコ取締役社長の山本章雄氏が挨拶し,今後もユーザーの指導を得ながら日本発の医療技術で世界に貢献していきたいと述べた。
なお,工藤氏,後閑氏の講演内容についてはインナービジョン2015年9月号別冊付録「磁遊空間 Vol.31」に抜粋記事を掲載予定。
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●問い合わせ先
株式会社日立メディコ MR・CT営業本部
Hi Advanced MRセミナー事務局
TEL 03-3526-8306
http://www.hitachi-medical.co.jp