2014-5-27
会場の様子
(株)日立メディコは2014年5月24日(土),富士ソフトアキバホール(東京都千代田区)にて「Hi Advanced MR セミナー」を開催した。
日立メディコは,1987年に永久磁石型0.2T MRI装置「MPR-20」を発売後,長年にわたり永久磁石型のオープンMRI装置から高磁場の超電導型MRI装置まで,多くのMRI装置を世に送り出してきた。そして,2013年に3T MRI「TRILLIUM OVAL」を発売したことで,MRI装置のラインナップがさらに拡充した。現在は,永久磁石型オープンMRI装置としては,0.25T MRI「AIRIS Soleil」,0.3T MRI「AIRIS Vento」「AIRIS Vento LT」,0.4T MRI「APERTO Lucent」,超電導型MRI装置では,1.5T MRIの「ECHELON OVAL」「ECHELON RX」と,3T MRI「TRILLIUM OVAL」を展開している。TRILLIUM OVALは,2014年から医療施設への導入が始まり,臨床評価も進められている。
Hi Advanced MR セミナーは,1.5T,3Tのハイエンド装置の画像やアプリケーション,また臨床での評価や有用性,今後の可能性について,ユーザーへの情報提供,情報共有を目的に初めて開催された。事前の参加登録では,定員190名を大幅に上回る登録があったため,セミナーの様子をライブ上映するサテライト会場が設けられ,会場は多くの参加者で盛況を博した。
冒頭に,執行役員CT・MRI事業部長の吉野仁志氏が開会の挨拶に立ち,MRI事業について紹介するとともに,2014年4月に新設された日立の7つ目のグループ「ヘルスケアグループ」の一員となったことから,多様化するニーズに迅速に対応できる体制の構築・強化や,ソリューションで応える提案力を強化し,グローバルの競争力を上げて行きたいと展望を述べた。
また,閉会の挨拶に立った代表取締役取締役社長の山本章雄氏は,国内の医師や診療放射線技師の方々の協力を得て,世界に発信できる技術,医療の開発・研究に取り組んでいくことは国産メーカーとしての使命だと述べ,引き続きの支援を呼びかけた。
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セミナーでは最初に,日立メディコより2題の発表が行われた。1題目にMRIシステム本部の尾藤良孝氏が「Advanced MR 〜DKI,QSMを含む〜」を,2題目にMRIシステム本部クリニカルサイエンスグループの原田邦明氏が「3T MRIの画像について」を発表した。
続いて,日本医科大学付属病院放射線科技師長の土橋俊男氏の司会進行のもと,2題の講演が行われた。最初に,埼玉医科大学病院放射線科教授/診療科長の新津 守氏が「関節MRIの最近の動向」と題して,MRIによる軟骨の画像診断(形態・質的診断)を中心に講演した。次に,岩手医科大学医歯薬総合研究所超高磁場MRI診断・病態研究部門教授の佐々木真理氏が「脳神経MRIの新たな可能性」と題して講演を行い,血管壁イメージング,定量的磁化率マッピング,拡散尖度画像,MRS脳温測定について,最新の研究を紹介した。なお,新津氏,佐々木氏の講演内容については,インナービジョン9月号別冊付録「磁遊空間 Vol.29」に抜粋記事を掲載予定。
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