2013-9-5
会場内に設置された医療用裸眼3Dディスプレイ
東芝メディカルシステムズ(株)は2013年9月5日(木),「医療用裸眼3Dディスプレイ」を発表し,同日から販売を開始した。当日は,ステーションコンファレンス東京(東京都千代田区)において,新製品発表会を行った。医療用裸眼3Dディスプレイは,同社のArea Detector CT「Aquilion ONE/ViSION Edition」で撮影した画像を立体視眼鏡を使用せずに3D画像が見られる。撮影したCT画像を同社が買収した米国バイタルイメージズ社の3D画像処理エンジンを搭載したワークステーションで解析処理を行い,専用ディスプレイに表示する。専用眼鏡が不要な液晶ディスプレイは,4K2K高精細液晶パネルを採用。9視点から3D画像を同時表示するインテグラルイメージング方式によって,高精細な3D画像を表示する。また,グラフィックス性能としては,従来の約10倍の性能を持つGPUエンジンを採用している。これにより術前シミュレーションや術中ガイド,患者説明や医学教育に役立つ。
新製品発表会で挨拶した同社代表取締役社長の綱川 智氏は,東芝グループがめざすスマートコミュニティ実現に向けた3つの事業領域に,ヘルスケア分野が掲げられていると説明。東芝メディカルシステムズとして,グローバル化の推進と治療分野への事業領域の拡大を図るという事業戦略を示した。その上で,医療用裸眼3Dディスプレイが,東芝グループの幅広い技術を幅広い領域に活用し創造的成長を実現する製品であると述べた。
この後,同社CT開発部のCTシステム開発担当参事の橋本敬介氏が,医療用裸眼3Dディスプレイの技術解説を行った。橋本氏は最後に,将来展望として,アプリケーションの拡充や,MRIなど対応するモダリティを増やしていく予定であると説明した。
続いて,実際に医療用裸眼3Dディスプレイの評価を行った国立がん研究センター中央病院脳脊髄腫瘍科の成田善孝氏が講演を行った。成田氏は,医療用裸眼3Dディスプレイが血管の走行の奥行きを理解するのに有効であるとの試験結果を説明した上で,この新製品が,術前のシミュレーションや医学教育において,直感的な理解に役立つと述べた。
会場内には,実際に新製品を展示。報道関係者も立体視を体験していた。
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