2013-7-30
セミナー会場風景
GEヘルスケア・ジャパン(株),パナソニックメディカルソリューションズ(株),バルコ(株)の3社が共催で,2013年7月27日(土)に「デジタルマンモグラフィセミナー in 東京」を開催した。セミナーには,医師や診療放射線技師など医療関係者約70名が参加。8月にリリースされるデジタルマンモグラフィ専用ワークステーション「MammoBright」(ディスプレイ輸入販売元:バルコ,ビューアソフトウエア製造元:パナソニックメディカルソリューションズ,販売:GEヘルスケア・ジャパン)についての各社からの説明とともに,社会医療法人北斗 北斗病院特別顧問/乳腺・乳がんセンター長の難波 清氏による特別講演「デジタルマンモグラフィの魅力」が行われた。
MammoBrightは,マンモグラフィに特化した機能を搭載したパナソニックのDICOMビューア「Plissimo MB」と,バルコ社製5.8MPディスプレイを搭載したマンモグラフィ専用ワークステーション。マンモグラフィ診断に最適化した高速表示や自動調整,左右同期などの機能に加え,CAD表示やトモシンセシス表示への対応,また,FFDM(Full Field Digital Mammography)の国内トップシェアであるGE社製マンモグラフィシステム「Senographe」の周波数強調画像,造影画像の表示にも対応する多彩な機能を持ち,専用コントローラを用いた直感的な操作性で,読影効率の向上が図られている。Web配信にて,院内電子カルテ端末やPACS端末,タブレット端末でのマンモグラフィ画像を参照でき,院内電子化やニーズに合わせたシステム構築が可能である。さらに,マンモグラフィ検診精度管理中央委員会準拠のレポートにも対応し,シェーマ上に石灰化・腫瘤アイコンを配置するだけで,所見チェックボックスの部位や形状・辺縁などが自動でチェックされるなど,レポート入力を支援する機能を搭載している。
セミナーでは最初に,パナソニックメディカルソリューションズ(株)SI営業部の佐藤卓治氏が「PanasonicPlissimoMammoWS『MammoBright』のご紹介」として,製品の紹介とともに,マンモグラフィのフィルムレス運用のための院内ネットワークの構築やMammoWS選定のポイントについて解説した。ネットワーク構築にあたっては,デジタルマンモグラフィ画像サイズの把握と,年間検査件数を考慮した保管容量の確保,そして院内ネットワークの伝送速度の調査が必要であること,また,各種ガイドラインに準拠したワークステーションの選定や運用管理,院内システムとの連携を考慮した選定の必要性を説明した。
次に,バルコ(株)ヘルスケア事業部の中西克爾氏が「モニタの精度管理」と題し,ディスプレイについての基礎知識や一般ディスプレイと医用ディスプレイの違い,そして,医用ディスプレイの精度管理について講演した。医用ディスプレイは,一般ディスプレイに比べ,どの階調間でも同じ輝度変化で視覚上リニアな階調を表示する〔ガンマDICOM GSDF(グレイスケール標準表示関数)〕という特長を持ち,かつ,常に一定の輝度でDICOM GSDFを保証することで,画像診断の精度を担保していると述べ,ディスプレイの3種類の精度管理(受入試験,日常目視試験,不変性試験)について解説した。
続いて,GEヘルスケア・ジャパン(株)DGS部の東尾良介氏が,「マンモグラフィのデジタル化に向けて」と題して講演し,デジタル化の現状やデジタルマンモグラフィの有用性についての論文を説明するとともに,同社の間接変換方式FPDの特長や,CAD,造影マンモグラフィ「SenoBright」などの技術について紹介。トータルワークフローを考慮したデジタル化の必要性を述べた。
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休憩を挟み,難波氏による特別講演「デジタルマンモグラフィの魅力」が行われた。難波氏は,「女性にとって最も理想的なヘルスケア・システムの構築」をライフワークに,世界初の乳管内視鏡の開発や,民間の乳腺専門医療機関の先駆けとも言えるブレストピアなんば病院(宮崎市)を創設するなど,長年乳腺診療に携わってきた経験を持つ。難波氏は,自身の経験も交えてマンモグラフィの発展の歴史を紹介し,マンモグラフィは乳がん死亡の減少効果が科学的に実証された唯一のモダリティであることを強調した。そして,ハードウエアとソフトウエアの両面からデジタルマンモグラフィの魅力について述べ,CESM(Contrast Enhanced Spectral Mammography)やBreast Tomosynthesis,検出・評価・診断のコンピュータ支援(CAD,CAE,CADx)などの有用性や課題について説明した。また,日本人女性に多いデンスブレストは検出や評価を困難にするとして世界的にも関心が高まっていることから,現在注目されているコンピュータ支援ソフトとして,乳腺密度を自動計算し,3Dマップとして表示する「Volpara」を取り上げ,各国で行われているVolparaの臨床試験について紹介した。そして,「Are You DENSE?」運動など,米国で行われているデンスブレストについての啓発活動を紹介し,ピンクリボン運動なども含め日本でもさらなる啓発が行われることに期待を示した。
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●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン株式会社
コミュニケーション本部
TEL 0120-202-021
www.gehealthcare.co.jp
パナソニック メディカルソリューションズ株式会社
TEL 06-6905-4161
http://panasonic.co.jp/hcc/phc/phcms/
バルコ株式会社
TEL 03-5762-8715
http://barcohealthcare.jp