2013-5-28
日本超音波医学会第86回学術集会
2013年5月24日(金)〜26日(日)の3日間,「超音波を活かす」をテーマに日本超音波医学会第86回学術集会(大会長:増山 理氏・兵庫医科大学循環器内科)がグランキューブ大阪(大阪市)にて開催された。会場3階には機器展示会場が設けられ,23社が出展。エラストグラフィやマルチモダリティフュージョンなど臨床に普及しつつある機能を搭載した高機能装置や,ポイント・オブ・ケアに向けた装置などを来場者へアピールした。
■機器展示(順不同)
東芝メディカルシステムズ
/ 日立アロカメディカル
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持田シーメンスメディカルシステム
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フィリップスエレクトロニクスジャパン
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富士フイルムメディカル
/ GEヘルスケア・ジャパン
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キヤノンライフケアソリューションズ
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コニカミノルタヘルスケア
/ パナソニックヘルスケア
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サムスン電子ジャパン
◎東芝メディカルシステムズ
東芝メディカルシステムズは,先日発表されたばかりの新製品「Xario 200」を最前面に出し,ライブデモンストレーションを行ってアピールした。Xario 200は,同社のハイエンド「Aplio」シリーズの高い基本性能を継承し,高画質(スマート),コンパクト性(スモール),簡単操作(シンプル)をコンセプトに開発された。従来装置のXarioと比べ,パネルの高さは10cm低くなり,重量も約半分となるなど大幅なコンパクト化を実現している。開業医,外来,病棟など,省スペースが求められるシーンはもちろん,境界や構造物の視認性を向上させるPrecision Imagingや,深部まで高い分解能を維持するDifferential THIなどのイメージング技術も搭載可能にしたことで,病院の検査室での使用も十分に可能となっている。
また,「Aplio300/400/500」に使用可能な新プローブとして,「PLT-1005BT」と経膣/経直腸プローブ「PVT-781VT」を紹介。幅58mmの1005BTは,周波数10MHz,最大14MHzまで可能で,乳腺領域に対してワイドで高画質な画像を提供できる。また,PVT-781VTは前立腺領域へも対応し,前立腺のSmart Fusionが可能となった。
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◎日立アロカメディカル
日立アロカメディカルは,2013年で10周年を迎えるアプリケーション「Real-time Tissue Elastography(RTE)」と「Real-time Virtual Sonography(RVS)」をメインにブースを展開した。装置は放射線科,整形外科,心血管,産婦人科の領域ごとに分けてラインナップを紹介するとともに,昨年発売のポイント・オブ・ケアへ向けた製品「Noblus」をブース正面に据えてアピールした。Noblusは,コンパクト装置でありながら,高精細な画質と,3D/4D表示やRTEなどの高機能を搭載し,さまざまなシーンで精密な検査が可能である。
産婦人科領域では,乳腺においてRTEの定量的評価を行うFLR(fat lesion raito)に,関心領域をクリックすると自動的にROIを作成し計測結果を表示する機能が追加されたことが紹介された。また,「F37」に新しく3D用プローブを搭載し,4Dshadingが可能となった。4Dshadingは,4D画像に光を当てる処理を行うことで,胎児の肌や質感,影をリアルに表現する機能で,従来はハイエンド装置に搭載されていた。普及機の「F37」で使用できるようになったことで,産婦人科クリニックなどでも実施しやすくなる。
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◎持田シーメンスメディカルシステム
持田シーメンスメディカルシステムは,音響放射圧を用いたshear waveによるエラストグラフィ "Virtual Touch"を搭載した装置を前面に出してアピールした。
昨年2012年に発表した「ACUSON S3000」は,Virtual Touch機能を搭載するとともに,CT,MRIの画像と超音波画像の煩雑な断面位置合わせを自動化で解決した“eSie Fusion Imaging”も搭載したマルチパーパス プレミアム装置。一方,循環器領域用として「ACUSON SC2000」を展示。心臓を高精細に描出するBモード画像、多くの経験あるユーザーのデータをアルゴリズムに取り込んだ自動心機能計測、さらに1心拍でのFull Volume Imagingを実現し,3D画像でより詳細な観察を可能にするなど、診断の効率を高める機能を紹介した。
また,乳房超音波検査を低侵襲に,安定して行うための専用スキャナABVS(Automated Breast Volume Scanner)を組み合わせた「ACUSON S2000 ABVS」も展示し,デモンストレーションを行った。
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◎フィリップスエレクトロニクスジャパン
フィリップスエレクトロニクスジャパンは,今年から販売を開始した新製品「Sparq」を強くアピールした。ポイント・オブ・ケアの装置で,搬送性が高く,約2.5時間駆動可能なバッテリーを搭載している。操作盤は,強化ガラスを採用したフルフラットのタッチセンサータイプで,薬品や血液が付着しても簡単に拭き取ることができ,清潔を保つことができる。心臓,腹部,血管,経食道の検査も可能で,シンプルな操作性を追求した。また,ニードルの視認性を高める機能“needle visualization”も搭載し,穿刺手技もサポートする。
このほか,今年から経食道3Dエコーが可能となったコンパクトタイプの「CX50 xMATRIX」も展示し,血管撮影装置とリンクさせて精度の高いインターベンションを支援するEchoNavigatorとあわせて紹介した。
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◎富士フイルムメディカル
富士フイルムメディカルは,携帯型装置2機種を紹介した。主力製品の「FAZONE CB」は,診察室サイド,ポイント・オブ・ケアに向けた製品で,病院と開業医で半々の導入実績を持つ。約1時間使用可能なバッテリーを搭載し,在宅診療でも活用されており,通常の検査だけでなく,胃ろうのペグの留置確認などにも利用されている。富士フイルムの技術力を投入し,小型ながら高い画質を実現した。モニタにはメニューなどは表示せず,全面に画像を表示することでコンパクトでありながら視認性を高めている。視野角が広く,救急現場や屋外でも使用しやすいとの評価を得ているという。
また,ドクターヘリやドクターカーへの搭載を想定した「FAZONE M」も展示した。カートに載せて大きいモニタへの画像出力もできるため,普段は院内で使用し,救急や災害医療時にカートから外してポータブルとする使用方法も可能である。
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◎GEヘルスケア・ジャパン
GEヘルスケア・ジャパンは,汎用,循環器用,産婦人科向けなど,多彩なラインナップを展開した。そのうち汎用の「LOGIQ」シリーズとしては,4月に発売した「LOGIQ E9 with XDclear」と,「LOGIQ S8」の新バージョンを紹介した。
LOGIQ E9 with XDclearは,シングルクリスタルを用いた新型プローブ「XDclear Transducer」を搭載し,分解能の向上と高ペネトレーションを両立している。
また,エキスパートツールとして,自動位置合わせを行う“アクティブトラッカー機能”や,同期補正を行う“リファレンスセンサー機能”など,フュージョンイメージング機能を充実させた。さらに,装置内に保存されている過去画像との比較を容易にする“コンペアアシスタント”を搭載し,より客観性の高い検査を可能にしている。
今後発売予定の新バージョンLOGIQ S8では,新しい“Mobile Assistant”機能を紹介。稼働中でも電源を切らずにコンセントを抜くことができるバッテリーを搭載し,検査室から病棟への移動や,病室をまたいだ検査も,タイムラグなく実施することができる。
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◎キヤノンライフケアソリューションズ
キヤノンライフケアソリューションズは,「Aixplorer」(仏・SuperSonic imagine社製)を展示した。Aixplorerは,プローブからプッシュパルスを複数出してShearWave(横波)を発生させ,組織を伝播する速度を計測することで,絶対値で定量的に組織弾性を表示する“ShearWave Elastography”を搭載している。カラーマップ表示,リアルタイム表示もでき,より客観的な評価が可能となる。乳腺,甲状腺,肝臓,前立腺などを主な対象領域としている。
◎コニカミノルタヘルスケア
コニカミノルタヘルスケアは,“低価格で高画質”がコンセプトの「SONIMAGE 613」を紹介した。軽く持ちやすいリニアプローブは,浅部から深部まで検査が可能で,検査中にプローブを持ち替える手間が少ない。据え置きタイプながら,重量61kg,カート含めた幅が45cmと小型軽量で,開業医や外来での使用に適している。また,超小型の超音波診断装置「SONIMAGE P3」(日本国内薬事未承認)も参考出品された。
◎パナソニックヘルスケア
パナソニックヘルスケアは,頸動脈のIMTを自動でリアルタイムに計測する頸部血管検査用超音波診断装置「CardioHealth Station」を展示した。タッチパネル式の簡単操作で,動脈硬化の早期診断を支援する。画面内に同じIDの前回の画像や,水平面に対するプローブ角度が模式図で表示されるため,再現性の高い測定が可能で,従来装置では難しいとされているIMTの計測を,臨床検査技師はもちろん,医師やエコーの経験が浅いスタッフでも簡便に行うことができる。心血管疾患のリスク判定,レポートの作成も可能で,生活習慣病の改善指導にも活用できる。
◎サムスン電子ジャパン
サムスン電子ジャパンは,主力製品の「UGEO H60」を中心に装置を展示した。UGEO H60は,18.6インチの広視野角・高解像度のLEDモニタを搭載し,省電力化を実現。10.1インチの操作パネルには,GALAXY Tab10.1と同じ静電式タッチパネルを採用し,軽く触れるだけで操作ができる。
また,ジャイロセンサーを搭載した経膣プローブで,子宮内におけるプローブの位置情報がリアルタイムにわかるアプリケーション“e-Motion Marker”を新しくリリースし,デモンストレーションコーナーを設けてアピールした。
●問い合わせ先
一般社団法人日本超音波医学会事務局
TEL 03-6380-3711
http://www.jsum.or.jp/
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