2023-11-29
研究・臨床用途で展開が進む
3Tの最上位機種「MR7700」
RSNA 2023 MRI
Philips(フィリップス)のMRI領域では,RSNA2022でアンベールされた3Tの最上位機種「MR7700」や新型コイルを中心に展示を行った。最先端の分子イメージングが可能なMR7700は,2023年に日本でも発売,複数施設で臨床・研究への応用が進んでいる。また,高速イメージング「SmartSpeed」は日本国内での研究・評価を基に製品化されており,MR開発における日本の存在感のさらなる増大が期待される。
今回,初展示された新素材によるコイル「Smart Fit Coil」,肩関節用コイル「Smart Fit 1.5T Shoulder」(いずれもW.I.P)は柔軟性に非常に優れ,患者負担を軽減しながらMR撮像が可能になる。特にSmart Fit 1.5T Shoulderは,背中のベルトをとめて固定し,立ったまま装着できるなど機能性にも優れている。
ボア内で投影された映像を観る「In-boreソリューション」も紹介された。検査中の患者をリラックスさせるほか,検査の残り時間の表示や息止めの合図により,患者の不安感や負担を軽減させる。また,小児患者向けのMR教育コンテンツも紹介され,「患者中心のケア」を体現する展示となった。
さらに,展示ホール内では英国などで展開中のMR搭載車両(「Ingenia Ambition 1.5T」搭載)も展示された。フィリップスでは,以前よりヘリウムフリーに取り組み,現在販売する1.5T装置はすべて7Lの液体ヘリウムで運用が可能な「BlueSealマグネット」を搭載している。これは,SDGsへの取り組みにつながると同時に,磁場の細かい管理が求められる車両への搭載のハードルを軽減した。