2023-11-28
新型ワイドボア1.5T MRI「SIGNA Champion」
(薬機法未承認)
RSNA 2023 MRI
GE HealthCare(GEヘルスケア)は,RSNA初日の11月26日に,新型ワイドボア1.5T MRI「SIGNA Champion」(薬機法未承認)の発表イベントをブースで行った。ノースビルディングの展示会場から同社ブースの中で一番近い場所に展示されたSIGNA Championは,70cmの広いガントリ開口径を誇る。さらに,寝台の左右から中央部に向かってカーブさせながら凹みを設けたことで,被検者の上部に50cm以上の空間を生み出しており,快適な検査環境となるよう工夫を凝らしている。最大傾斜磁場強度(Gmax)が35mT/m,スリューレートが140T/m/sという高出力グラディエントコイルシステムを搭載。マグネットも軽量化され,消費ヘリウム量も従来の70%削減できるなど,ランニングコストを抑えた運用を可能にする。ガントリ左右前面に配置された操作系は,日本の日野工場がユーザーインターフェイスの設計を担当し,扱いやすくなっている。SIGNA Championのソフトウエアは,最新の「MR 30.1」が搭載される。最新バージョンでは,ディープラーニング画像再構成技術である「AIR Recon DL」が用意されている。このAIR Recon DLは適応を拡大しており,PROPELLERや3D,T1/T2マッピングでも使用可能。さらに,新技術として,アンダーサンプリングにディープラーニングを用いることで心臓MRIにおける撮像時間の短縮を図れる「Sonic DL」が追加された。このほか,呼吸と心拍を同時に同期する「Wireless Gating」にも対応する。
MRI本体については,ほかに日本でも2023年4月に販売を開始した3T装置「SIGNA Hero」の展示や頭部専用の「MAGNUS 3.0T」(薬機法未承認)のホログラムでの紹介などを行った。さらに,「SIGNA PET/MR」が「AIR」に対応したこともアナウンス。AIR Recon DLを使用できるようになったことで,高画質が図られた。加えて,「AIR Coils」によって従来コイルと比べてγ線の吸収が抑えられるようになり,PET画像も高画質する。