2022-11-29
世界で初めて血管撮影システムの
画像処理エンジンにAIを搭載した「Trinias」
RSNA 2022 X-ray
島津製作所(Shimadzu Medical Systems)のX-rayは,グローバルでも販売を開始した血管撮影装置のシリーズ最上位機種「Trinias」をはじめ,米国やグローバルでのニーズにも応えるX線システムの製品群を展示した。
Triniasは,世界で初めて血管撮影システムの画像処理エンジンに人工知能(AI)を搭載したシステム。画像処理技術“SCORE Opera”は,ディープラーニング技術によりノイズ抑制やコントラスト強調を実現し,透視による被ばく線量を従来装置よりも削減する。カスタマイズ可能なタッチパネルによる簡便な操作,アプリケーションのサブスクリプションサービス「SCORE Link」なども特徴である。設計を一新したCアームは,開口径を拡大することで頭尾方向に深く振れるようになり,動作スピードも向上。テーブル両サイド方向への移動が可能になり,手技に合わせて術者は任意の側に立つことができる。また,鼠径部からのカテーテル挿入で透視をするためのポジションチェンジでは,Cアームが自動で待避する機能が追加され,流れを止めることなくスムーズな手技遂行を支援する。
テーブル両サイド方向へのCアーム移動が可能になった「Trinias」
鼠径部の透視の際には,テーブルを移動するとCアームが自動的に待避
回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution MX8 Version」は,ブースに3台を展示。組み合わせ可能なDRシステムが,コニカミノルタ,キヤノン,富士フイルムに加え,新たに海外市場に合わせたDRシステムにも対応したことをアナウンスした(日本国内での展開は未定)。また,AI技術を活用し体内の異物を強調表示する“遺残確認支援ソフトウエアSmart DSI”(cタイプに搭載可能)も展示し,手術室における異物遺残確認の効率化を提案した。
また,X線テレビシステムとしては,「FLUOROspeed X1」(日本国内での販売なし)と「SONIALVISION G4 LX」を出展した。患者の安全をより重視する米国においては近接型システムのシェアが高く,FLUOROspeed X1はそのニーズに応える製品として展開している。映像系部にはパワーアシスト技術「GLIDE ASSIST」が実装されており,手技中に片手での容易な操作を可能にしている。
一方,SONIALVISION G4 LXは多目的に使用できるシステムで,SIDが最大180cm(オプション)まで引き延ばしでき,嚥下検査などにも活用することができる。
一般撮影装置「RADspeed Pro」にもパワーアシスト機能「POWER GLIDE」が実装されており,懸垂器のハンドルをつかむとパワーアシストが動作し,女性技師も楽に扱うことができる。アシストは3段階に調整が可能。立位撮影ではFPDとX線管が連動して移動するため,長尺撮影も簡便に行うことができるほか,トモシンセシス機能といったオプションを豊富にそろえている。