2022-11-28
LEDトンネル外側のMRIのプレゼンテーションスペース
RSNA 2022 MRI
キヤノンメディカルシステムズのMRIの展示では,AIブランド「Altivity」の下に開発されたディープラーニング画像再構成技術(DLR)「Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)」や,アーチファクト・歪みを低減する技術が,臨床にどのような価値をもたらすかを紹介した。
同社のMRIは,Gmax 100mT/mを実現したフラッグシップの3T装置「Vantage Centurian」とAiCEを発売した2019年から,日本国内ではシェアを急拡大しており,2021年度には24.1%(同社調べ)まで上昇している。Vantage Centurian / ZGOは国内稼働15台,AiCE搭載MRIの国内導入台数は265台に上る(いずれも予定含む)。
ディープラーニングを用いたSNR向上技術であるAiCEは,学習方法を工夫することで多様なシーケンスや高速撮像技術との併用を可能にした高い汎用性を特長としている。高周波のみを学習することでノイズを良好に低減しながら,低周波のコントラストを維持することが可能だ。
AiCEにより高精細化や撮像時間の短縮,ノイズの影響を低減した定量画像の提供を実現する。
MRIの画質を決めるもう一つの重要な要素となるアーチファクトに対しては,2つのアーチファクト抑制技術を紹介した。「IMC(Iterative Motion Correction)」は剛体(面内の並進・回転)と非剛体(形状の変化)を補正することで,体動や嚥下などによるモーションアーチファクトを抑制することができ,MRI検査の適用拡大にも貢献する。
また,「RDC(Reverse encoding Distortion Correction) DWI」は,Phase Encode方向に対して2方向(順方向・逆方向)にデータ収集を行い,それぞれの画像を補正後に加算することで,拡散強調画像の歪みを補正する。b0画像だけでなく,MPG印加撮像も使うことでB0+渦電流による歪みまで補正することが特長だ。これにより下垂体の歪みや磁化率アーチファクト,Body DWIのつなぎ目部分のズレなどを補正し,より精度の高い画像の提供や他シーケンスとのフュージョンを可能にする。