2017-12-1
RSNA 2017 CT
Toshiba Medical, A Canon Group(東芝メディカルシステムズ)のCTコーナーでは,超高精細CT「Aquilion Precision」(FDA申請中)とハイエンドの技術を投入したプレミアム80列CT「Aquilion Prime SP」がRSNA初出展となり,初日にアンベールイベントで紹介された。今回のRSNA 2017のブースでは,アンベール後も新製品とわかるように“NEW”の文字が大きく配置されており,来場者の視線を集めていた。ブースでは,この2機種に加え,ハイエンドクラスの装置として320列のADCT「Aquilion ONE/GENESIS Edition」が展示され,臨床画像と合わせて性能や画質をアピールした。
Aquilion Precisionは,日本国内では今年のITEM 2017で発表され,すでに9施設で稼働中であり,ヨーロッパの1台を加えて,世界ですでに10台が導入されている。米国ではFDA申請中であり販売はこれからになるが,今回のRSNA 2017で日本のユーザー向けのトピックスとして,Aquilion Precisionで2017年10月からFull IRの逐次近似再構成法“FIRST”が適用可能になったことがアナウンスされた。これまでも一部の領域ではFIRSTが適用できていたが,新たにAquilion ONE/GENESIS Editionと同様にBRAIN,BRAIN(LCD,CTA),BODY,BODY SHARP,LUNG,CARDIAC,CARDIAC SHARP,BONEの再構成パラメータの利用が可能になった。超高精細画像では,悪性腫瘍の診断や整形外科,脳血管,心大血管や末梢血管などの血管系での有用性が報告されている。さらにFIRSTを適用することで,低吸収領域のノイズの削減や,従来描出が難しかった血管や壁の構造が明瞭に描出できるようになり,がんの浸潤や深達度の評価に効果が期待される。
Aquilion Precisionでは,高精細画像の取得のためにX線管球や検出器をはじめ,ガントリ回転機構や寝台など多くの新開発技術が搭載されている。ブースでは,超高解像度(ULTRA HIGH RESOLUTION)を実現する技術として,X線管球の“UHR Tube”,検出器の“0.25mm×1792チャンネルのUHR Detector”を,模型とシースルーのモニタを組み合わせて紹介していた。
Aquilion Prime SPは,日本ではやはり今年のITEM 2017でリリースされた新しい80列CTである。上位機種で採用されているX線光学系技術である“PUREViSION Optics”を搭載し画質の向上を図っている。そのほか,3フェーズの切り替えが可能なバリアブルピッチヘリカルスキャンやサブトラクションなど,ハイエンドクラスと同等の機能を搭載。78cmの大開口径ガントリや操作室から寝台が操作できる“SUREPosition”など,従来のPRIMEシリーズの特長も継承する装置となっている。