2017-11-28
RSNA 2017 MRI
Siemens Healthineers(シーメンス)のMRIの目玉は,日本国内でも11月27日に発売開始がアナウンスされたハイエンドクラスの3T MRI「MAGNETOM Vida」である。ニューロサイエンス領域の研究用途にも対応した「MAGNETOM Prisma」のガントリを60cmから70cmへ拡大。新たな技術コンセプト“BioMatrix Technology”を搭載している。BioMatrix Technologyは,被検者の体格,年齢などの特性にかかわらず,高精度の画像を撮像する技術の総称であり,MAGNETOM Vidaを皮切りに,今後の新製品への採用が予想される。
BioMatrix Technologyは,“BioMatrix Sensors”と“BioMatrix Tuners”と“BioMatrix Interfaces”という3つの技術がある。BioMatrix Sensorsとしては,脊椎用コイルに呼吸器センサを搭載した。従来の呼吸器センサはベルトを巻いていたが,脊椎用コイルに搭載したことで,被検者の呼吸の状態をより容易に観察できるようになった。BioMatrix Tunersは,従来のMR撮像では磁場の不均一により困難だった頸部の脂肪抑制が,頭頸部用コイルにシミングコイルを埋め込み,局所のシミングの精度を上げたことで,十分に脂肪抑制の効いた画像を得られるようになる。whole body MRIにおいても,スライスごとにチューニングを行うことで,高精度な画像が描出できる。また,BioMatrix Interfacesとしては,ガントリ前面にタッチパネルモニタを配して,患者情報や使用コイルの表示に加え,撮像部位をアイコンで選択すると,自動的に寝台が動作して,適切な撮像ポジションに設定される“Select&Go”を搭載した。これにより,患者セッティングが容易になり,検査時間の短縮化が可能になる。さらに,着脱式の寝台を採用した。電動アシスト機能“eDrive”によって,コイルの搭載などで重量のあるMRI寝台でも容易に動かすことができる。