2017-11-27
RSNA 2017 MRI
Hitachi Healthcare(日立製作所)のMRIシステムは,1.5T超電導MRIシステム「ECHELON Smart」がRSNA初展示となり,世界各地から訪れる来場者に紹介された(主に北米を除く地域で展開)。音圧を最大で94%低減可能な“静音化”,Ecoモードを搭載した“省エネ”,本体・電源ユニット間のケーブルを延長することでレイアウトフリーとなった“設置性”という3つの大きな特徴をアピールした。
このほか,北米における主力システムである超電導型の1.2TオープンMRI「OASIS」,快適性と画質を両立した1.5T MRI「ECHELON OVAL」,シングルピラーが特徴の永久磁石型0.4TオープンMRI「APERTO Lucent」(北米以外で販売)の3機種が展示された。
またシアターでは,Advanced MRI Technologyとして,展示コンセプトであるSPEED,COMFORT,QUALITYをテーマに開発中の5つのアプリケーションが紹介された(すべてW.I.P.)。SPEEDでは,パラレルイメージングを進化させた“IP-Technology”と“SMI”を紹介した。T1WI,T2WI,FLAIR,3D TOFに適用できるIP-Technology は,時間短縮に加えてノイズ低減も可能で,SNRを維持したまま撮像時間を約半分に短縮できる。現在,昨年展示した頭部領域に加え,膝,脊椎など整形領域への適用にも取り組んでおり,画像が初めて展示された。また,日立が開発を手掛けるSMIをFSE法に使用すると,同じスライス枚数であれば,撮像時間を短縮することが可能になる。
COMFORTとしては,非造影で血管の描出をめざした“Beam IR”を紹介した。Beam IRは,局所励起をプリパルスに用いることで血管を選択的に描出する。BeamSAT VASC-ASLが静脈への適用だったのに対し,動きの速い動脈への適用が可能で,大動脈から分岐する直前でラベリングすることで末梢までの描出,また,心臓にBeam IRを照射することで肺動脈の描出も期待できる。
QUALITY では,“QSM”(Quantitative Susceptibility Mapping)と“QPM”(Quantitative Parameter Mapping)をアピールした。QSMでは,腹部に適用した画像が今回初めて展示された。また,QPMは多様なコントラスト画像の作成に必要なパラメータ(T1,T2*,B1,プロトン)を一度に取得し,ピクセルごとにパラメータフィッティングを行う独自のシミュレーション技術により各種ルーチン画像だけでなく,QSMなどの取得も可能となっている。