2017-11-27
RSNA 2017 画像診断支援
Hitachi Healthcare(日立製作所)のRSNA 2017の目玉として展示されたのが,AI(Artificial Intelligence)やビッグデータを活用した画像診断支援ソリューションである。日立では5つの医療分野(Diagnostic Imaging,Informatics,Neuro Surgery,Radiation Oncology,iVD)に注力して開発が進められている。Diagnostic Imaging分野では新しい取り組み“DI×AI(Diagnostic Imaging with AI)”を提案,検査受付から撮像,診断までの放射線科ワークフローの改善を目的に,各シーンで利用できるアプリケーションを開発しており,ブースでは,検出,解析,レポーティングを支援する「肺がん診断支援ソリューション」と「脳疾患診断支援ソリューション」の概要を紹介した(すべてW.I.P.)。
肺がん診断支援ソリューションは,肺がん診断の一連の流れとなる結節の検出,結節サイズの測定,レポート作成を支援する。小病変の見落とし防止や自動計測,簡単操作でのレポーティングにより再現性の向上,短時間化が期待できる。また,脳疾患診断支援ソリューションは未破裂脳動脈瘤や白質病変を例に挙げ,検出や解析,レポート作成までが簡便に行えるようになることを紹介した。
これらソリューションのアドバンテージは,日立が医療機器メーカーとして培ってきた画像処理技術を基にしたRule-based knowledgeと機械学習を融合したハイブリッド画像処理である点である。AIや機械学習では,結果までの過程を説明できないブラックボックス状態であることや,膨大な学習用データが必要であることが課題となっているが,Rule-based knowledgeを用いることで,ある程度のデータ量で十分な精度を確保することができ,また,病変検出の根拠を特徴量で示すことができる。なお,画像は日立社製モダリティに限らずベンダーフリー対応を予定しており,提供形態も施設のニーズに合わせて複数の方法が検討されるなど,導入しやすいソリューションとしての提供をめざしている。
ブースでは2つのソリューションが展示されたが,さらにブレスト超音波のCADや,認知症の診断支援システム(MRI)などの開発も進めており,分野や領域を限定せず,幅広くDI×AIを展開していくとしている。