2017-11-30
RSNA 2017 MRI
GE Healthcare(GEヘルスケア)ブースで最もホールAの入り口から近くかつ展示面積も広くとったMRIコーナーでは,先進的技術で市場をリードするSIGNAブランドの強さを感じさせる展示となった。昨年のRSNAで参考出展された3T MRIの研究専用機である「SIGNA Premier」(日本国内薬機法未承認)が今回,製品として出展された。
SIGNA Premierは,ガントリ開口径70cmのワイドボア設計。70cmのワイドボアでは限界値とされる傾斜磁場強度80mT/m,スリューレート200T/m/sを実現している。
また,MRI検査の生産性を向上させるアプリケーション・プラットフォームである“SIGNA Works”を搭載している。
GEヘルスケアではアメリカンフットボールのプロリーグであるナショナル・フットボール・リーグ(NFL)と,選手同士が衝突した際の脳への影響に関する共同研究を行っており,SIGNA Premierと後述する48chブレインコイルはこの目的で開発されたという。
なお,SIGNA Premierの日本での販売は未定である。
このSIGNA Premierに組み合わせるコイルとして,前回のRSNA 2016で参考出品されたコイル技術“AIR Technology”(日本国内薬機法未承認)も今回正式にアナウンスされた。従来,MRIのコイルにはウレタン素材が採用されていたが,AIR Technologyは,ブランケットのように柔らかく軽量である。従来のコイルは,1チャンネルあたり175gであったが,AIR Technologyでは45gと,大幅な軽量化を実現。被検者に優しいだけでなく,体にも密着させることができるため,画質の向上も図られる。また,AIR Technologyの技術を生かした業界最多となる48チャンネルのヘッド用コイルも展示された。頭のサイズの大きさにより撮像に影響が出ないように,スペーサーを設置・着脱できるようにした。一般的に,コイルのサイズを変えると,画質に影響がでてしまうが,AIR Technologyを応用したことにより,スペーサーの有無かかわらず,バラツキのない明瞭な画像が得られる。
このほか,1.5T MRIのハイエンドモデルとなる「SIGNA Artist」(日本国内薬機法未承認)も展示された。70cmのワイドボア設計で,最新のデジタルRF技術である“TDI(トータル・デジタル・イメージング)”を搭載し,SNRの向上と将来へ向けた多チャンネル化に対応している。こちらもMRI検査の生産性を向上させるアプリケーション・プラットフォームであるSIGNA Worksを搭載している。