2017-12-1
RSNA 2017 核医学
GE Healthcare(GEヘルスケア)の核医学のコーナーでは,半導体検出器を搭載したPET/CT「Discovery MI」とSPECT/CT「Discovery NM/CT 670 CZT」の2機種が展示された。
日本国内では両機種とも2016年8月に発表されている。Discovery MIの検出器には“LightBurst Digital Detector”を採用した。TOF-PETでの時間分解能を向上し解像度の向上と検査時間の短縮,被ばく低減を実現した。また,逐次近似画像再構成法の“Q.Clear”により,画質と定量精度の向上も図っている。
一方のDiscovery NM/CT 670 CZTには,半導体のCZT検出器を搭載。γ線を直接電気信号に変換する。エネルギー分解能やコントラスト分解能が向上し,被ばく低減や検査時間の短縮を図れる。今回の展示では,同じ筐体を採用して従来型の検出器を搭載し,将来的に半導体検出器にアップグレードできる「Discovery MI DR」と「Discovery NM/CT 670 DR」を発表した。初期の導入コストを抑えて装置を有効活用しつつ,将来的に最新の技術に置き換えられる。日本でも同様にアップグレード可能な製品を展開する。
このような技術進歩により,診断・医療における核医学の位置づけは高くなっているが,今後は治療と診断を合わせて行う「セラノスティックス(Theranostics:therapyとdiagnosticsを組み合わせた造語)」への応用が期待されている。がん治療薬に核種を標識して体内に投与し,PET/CT,SPECT/CTで腫瘍への薬剤の集積を観察したり,治療効果を確認するといった研究が進んでいる。現在,前立腺がんにおける177Lu-PSMAや神経内分泌腫瘍における68Ga-DOTA-TOCなどの有用性が認められている。ブース内ではGEヘルスケアのセラノスティックスへの取り組みも紹介された。