2017-11-30
RSNA 2017 CT
GE Healthcare(GEヘルスケア)のCTコーナーでは,RSNAがお披露目の場となる「Revolution Frontier」(日本国内薬機法未承認)のほか,「Revolution CT」でルーチンのdual energy imagingを可能にする“GSI Xtream”などの技術および全身における臨床画像が紹介された。
日本国内でもRevolution CTのオプションとして搭載が始まっているGSI Xtreamは,被ばく量の増加,検査・画像再構成時間の延長といったdual energy imagingの課題を解決している。Ultra Fast kVp Switching法による撮影では,従来40mmだったデータ収集幅が80mmへと拡大し撮影時間を短縮。single energy imagingと同等まで被ばく量の低減が図られた。さらに,新たになった画像再構成用コンピュータユニットによって,処理速度も高速化された。これにより,検査時間がかかるとされてきたdual energy imagingが短時間で可能となり,ルーチン検査として行うことができる。その臨床画像は,single energy imagingと同等のクオリティとなっている。
新製品の「Revolution Frontier」は,このRevolution CTを受け継いだCT。検出器“Gemstone Clarity Detector”は,従来の検出器よりもフルデジタル技術によってコンパクト化され,ノイズを抑えた高画質の提供を可能にした。また,新開発のX線管である“Performix HD Plus”は,従来のボールベアリングを廃して,代わりに軸にスリットを設けて液体金属を流しハイドロプレーニング現象のような状態とすることで,摩擦を低減し滑らかに回転する。これによりX線管の耐久性を従来の2倍に高めた。さらに,センサ技術によりX線管などの状態を監視することで,故障を予兆して,未然に防ぐことでダウンタイムを減らすことも可能である。このほか,高精細モードにより空間分解能0.23mmでの撮影にも対応している。
このほか,米国・欧州で展開している心臓専用CT「CardioGraphe」(日本国内薬機法未承認)をモニタ上で紹介した。0.24s/rotの高速回転を行う心臓CTに特化した製品。FOVは25cmであるが体軸カバレッジは14cm,装置をコンパクト化しており,設置面積は15m2となっている。また,X線管を体軸方向に並列で配置しており,“ステレオフォーカス”技術によりコーン角を小さく抑えることでコーンビームアーチファクトを低減。さらに,石灰化のブルーミングアーチファクトを抑えて画像を提供できる。