2016-11-28
3T MRIの新製品として「Vantage Galan 3T」をアンベール
Toshiba America Medical Systems(東芝メディカルシステムズ)は,RSNA2016のMRIコーナーの展示で3T MRIとして新製品となる「Vantage Galan 3T」と,1.5Tの「Vantage Elan/eS Edition」,「Vantage Titan」を紹介した。
米国初展示となりアンベールイベントも行ったVantage Galan 3Tは,日本では2016年6月から販売を開始し,11月までの約半年ですでに9台が受注される(欧州を含めると16台)など,順調なスタートを切っており,米国市場においても期待が大きい。
Vantage Galan 3Tの特長としては,“画質とスループット” “3Tながら,コンパクトで経済的” “安心できる検査環境の提供”が挙げられる。
画質の面では,頭部や膝関節で高精細でクリアな画像が得られており,ブースでも臨床画像が紹介された。それを可能にした技術が,送信系の“PURERF Tx”と受信側の“PURERF Rx”の搭載である。PURERF Txでは,RF送信波の漏洩をシールドしながら,渦電流を抑え理想に近いRF波の送信を実現し,これによって送信効率が最大26%向上している。また,受信側のPURERF Rxは,DA変換の前に混入する装置本体からのノイズを最大で17%カットし,この送受信の新技術を合わせてSNRが最大で20%向上している。また,新しいソフトウエアとして,新たに開発した“mUTE 4D-MRA”を紹介した。ultrashort TE(UTE)を使うことで偽狭窄や金属によるアーチファクトを抑えられるが,mUTE 4D-MRAでは,静音化したMRAと1回のスキャンの中で複数の時相を撮像でき,クリップ近傍の血管像の描出や,血行動態に加えて血管形態も併せた観察を可能にした。
さらに,心臓撮像に関する新しい機能であるSUREECGは,R波の検出精度を高め,安定した心電図同期検査を行うことが可能で,撮像前と撮像中の波形をパターンマッチングすることで,3T MRIで増加したミストリガーを減らす機能である。
コンパクト・経済性では,3T MRIながら最小設置面積は18.6m2と,1.5Tとほぼ同等の広さで導入が可能で,これまでレイアウトの関係などで導入が難しかった場所やリプレイスなども期待できる。また,Ecoモードとクラス最小定格電力70kVAでランニングコストも抑えられている。Ecoモードでは,寝台を下降させるとスタンバイ状態になり,検査開始時に自動で復帰する省エネ設計となっている。
患者が和める検査環境の提供では,Vantage Galan 3TはOpen Boreで71cmの開口経となっており,広い検査空間を提供できる。また,同社が得意とする静音化技術では,ソフトウエアによる静音化機構として“Pianissimo Zen”を搭載。もともとハードウエアで提供されているPianissimo機構と併用することで,すべての検査で撮像の際に発生する音を最大で99%カットし,患者にやさしい環境が提供できるのが特長だ。
2014年に発売され,1.5T MRIのスタンダートとなったVantage Elanは,発売から2年間で日本国内トータルで203台を出荷し,1.5T MRIでは国内で2年連続納入台数がトップとなっている。Vantage Elanが評価されているポイントは,コンパクトな設置環境を提供しながら,腹部のダイナミック検査はもちろん,心臓や乳房などの検査でも高画質を提供する撮像技術の高さを併せ持つことで,こちらも多くの臨床画像を供覧した。
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