2016-11-21
1. “Beyond Imaging”をテーマに,放射線医学の将来を展望
2. 金沢大学名誉教授の松井 修氏がHonorary Memberに選出
3. 世界143か国,5万4000人以上の会員を有するRSNA
4. Education Exhibitには1867がアクセプト,Technical Exhibitには667社が出展
5. RSNA PlazaがリニューアルしてRSNA Connections centerとしてオープン
1. “Beyond Imaging”をテーマに,放射線医学の将来を展望
第102回北米放射線学会が米国イリノイ州シカゴ市のマコーミックプレイスを会場に,現地時間2016年11月27日(日)に開幕する。今回は,“Beyond Imaging”がテーマに掲げられた。放射線医学はモダリティの進歩とともに発展してきたが,近年のITの技術革新により,大きな変化が起こっている。このような中で,放射線医学にかかわる人々は,どのように臨床や研究に向き合うべきなのか,RSNA2016はそれを考える機会となるであろう。
今回の大会長は,シカゴ大学医療センター放射線科教授のRichard L. Baron, M.D.が務める。初日27日には,Arie Crown Theaterで恒例のOpening Sessionが行われる。“Digital Revolution in Radiology - the Good and the Bad”をテーマにしたOpening Sessionにおいて,Baron大会長は“Beyond Imaging: Ensuring Radiology Impact in Clinical Care and Research”と題したPresident's Addressを行う。
このほか,Opening Sessionでは,マサチューセッツ総合病院放射線科副部長のKeith J. Dreyer, D.O., Ph.D.が“When Machines Think: Radiology's Next Frontier”,カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部部長のRobert M. Wachter, M.D.が“Hope, Hype, and Harm as Medicine Enters the Digital Age: Lessons From (and For) Radiology”をテーマに講演する。
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2. 金沢大学名誉教授の松井 修氏がHonorary Memberに選出
RSNA2016において,金沢大学名誉教授の松井 修氏がHonorary Memberに選出された。2日目の11月28日13時30分からArie Crown Theaterで行われるMonday Plenary Sessionにおいて,“Presentation of Honorary Membership”において,大会長のRichard L. Baron, M.D.から表彰される。松井氏は1972年に金沢大学医学部を卒業後,米国留学などを経て,83年に同大学附属病院放射線部助教授,86年に同大学医学部放射線医学講座助教授となり,99年に教授に就任した。腹部画像診断,IVRにおいて多くの実績を残している。
国際化を進めるRSNAでは海外の学会との連携に力を入れており,近年では,京都大学の富樫かおり氏(2014年),神戸大学の杉村和朗氏(2010年),元順天堂大学の故・片山 仁氏(2006年)がHonorary Memberに選出されている。このほか,今回は,松井氏のほかに,イタリアのCarlo Bartolozzi, M.D.とスペインのLuis Donoso-Bach, M.D.がHonorary Memberとなった。
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3. 世界143か国,5万4000人以上の会員を有するRSNA
放射線医学分野では世界最大級の学会である北米放射線学会(RSNA)。米国だけでなく世界各国の放射線科医など放射線医学にかかわる人々が会員となっている。2016年10月の時点で,143か国,5万4000人以上が所属している。このうちRSNA2015には2万6778人の会員が参加。それ以外の企業関係者なども含め,前回は5万1922人がマコーミックプレイスに集結した。Webサイト上で学会に参加できる「Virtual Meeting」が2011年にできたこともあり,2010年以降参加者数が6万人を超えることはないものの,依然としてマコーミックプレイスは放射線医学の中心地と言える。
RSNAでは例年,世界各国の放射線医学の動向を取り上げるCountry Presentsが設けられているが,今回は,オランダのセッションが11月28日(月),トルコのセッションが11月29日(火)にプログラムされている。
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4.Education Exhibitには1867がアクセプト,Technical Exhibitには667社が出展
RSNA事務局が10月12日付けで発表した情報によると,今回の事前参加登録者数は前回から6%増となっている。学会関係のプログラムでは,6つのPlenary Session,Education Courseが426コース用意された。 また,口述発表であるScientific Paperが16分野1733題,展示発表であるEducation Exhibitが1867題,Scientific Posterが896題アクセプトされている。11月30日(水)には,13時30分からE405Aにおいて,“Announcement of Education Exhibit Awards”が行われ,大会長のRichard L. Baron, M.D.からMagna Cum Laudeの受賞者が発表される。今回は日本からの発表が何題受賞するか,期待されるところである。
また,期間中最もにぎやかなTechnical Exhibitには今回,667社が出展する。その展示面積は41万3700平方フィートに及ぶ。出展者数は昨年よりも増える見込みだ。また,初出展企業数は96社となっている。このうち日本の企業では,デジタル・コア,エベレックス・ジャパン,グリーンメディカルの3社が初出展としてカウントされている。
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5. RSNA PlazaがリニューアルしてRSNA Connections centerとしてオープン
RSNA2016では昨年に続き,今回もImage Contestが行われている。Best Photo,Radiology Art,Most Unusual Case,Best Medical Imageのジャンルがあり,Webサイト(https://wyng.com/campaign/813003
)から投票を行える。また,11月29日(火)には,恒例となりつつある「RSNA 2016 5k Fun Run」が開催される。このほか,12月2日(金)には,日本腹部放射線学会が参加する「LIVER Symposium」もプログラムされている。
毎回新たな企画や展示で参加者の関心を集めるRSNAであるが,今回はレイクサイドセンターにあるRSNA Plazaをリニューアルし,新たにRSNA Connections centerとなった。RSNA Connections centerでは,参加者に対して,各種サービスを提供する。レイアウトも大幅に変更されたRSNA Connections centerでは,次のコーナーが設けられている。
・R&E Donor Suite
RSNA Research & Education Foundation活動のコーナーで,寄付活動をしている企業や個人を紹介するほか,寄付者のためのテーブルなどが設置される。
・Expanded Lounge Seating
参加者がくつろぐためのラウンジ。電話の充電やコーヒー,アルコールなどの飲み物が用意されている。
・Discovery Theater
RSNA2016会期中のスケジュールを立てるための参考となるプログラムが提供される。
・Membership & Resources
RSNA学会員になるための手続きや相談などを引き受ける。
・Digital Support
RSNA2016のWebサイトであるMeeting Centralの使い方,アプリケーションの操作方法の相談窓口。
・RSNA Shop
CME Refresher CourseのUSBやRadioGraphics誌,RSNAグッズなどを販売するコーナー
・Information Desk
RSNA2016の総合相談窓口