2016-11-29
次世代血管撮影装置と位置づけられた「ARTIS pheno」
Siemens Healthineers(シーメンス)のX-ray関連の展示では,血管撮影装置の新製品である「ARTIS pheno」(日本国内薬機法未承認)が発表された。このほか,一般撮影装置,移動型撮影装置,マンモグラフィは従来製品が展示されたほか,画像診断ITソリューション「syngo.via」にマンモグラフィ用アプリケーションの新機能が追加され,そのデモンストレーションが行われた。
RSNA2016で新製品として発表された「ARTIS pheno」は,次世代の血管撮影装置と位置づけられ,通常のインターベンションだけでなく,経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)などのハイブリッド手術に最適化されている。30cm×38cmサイズの新型FD “zen40HDR”と,同じく新開発のX線管 “GIGALIX” を搭載。手技を妨げないよう,Cアームの開口を拡大し,回転撮影も容易に行える。開口を広げることで被ばく量の増加が心配されるが,zen40HDRにより,線量を落としての撮影が可能となっている。また,zen40HDRは従来のFDよりもデバイスの視認性が良くなるなど,高画質を実現している。画像収集のフレームレートは90fpsとなっており,腹部の“syngo Dyna CT”の撮影時間が6秒から5秒へと短縮。これにより造影剤量も低減できる。
このほか,天井にレールなどがないため,HEPAフィルタの設置に制限がなく,室内を清潔に保てるというメリットもある。装置の素材も手術を考慮して,血液などを拭き取りやすいものを採用し,寝台のチルトも新開発のモーターアシストにより,滑らかに可動させることができる。この寝台は440kgの重量に耐える設計だ。さらに,モニタも10万階調を持つ55インチのハイパフォーマンスモデルを採用しており,その背面には,超音波診断装置「ACUSON Freestyle Elite」(日本国内薬機法未承認)の本体を取り付けることが可能になっている。
新たにsyngo.viaに搭載されたアプリケーションは,マンモグラフィ「MAMMOMAT Inspiration」のトモシンセシス画像診断用のもの。トモシンセシス用に収集した画像を合成して2D画像を作成する。また,トモシンセシス画像からボリューム画像を作成して,さらに回転させることができ,これにより,病変を検出しやすくなる。
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