2016-11-29
「teamplay」で新たに採用された
プロトコールの集中管理機能
Siemens Healthineers(シーメンス)のヘルスケアIT関連では,線量管理や装置の運用状況を管理するクラウドサービス「teamplay」やVNAサービスである「syngo.share」を中心に,PACSの「syngo.plaza」と「syngo.plaza 3D+」,画像診断ITソリューション「syngo.via」の新機能などのデモンストレーションが行われた。
RSNA2015で発表され,2016年4月のITEM2016国際医用画像総合展でも大々的にPRされたteamplayは,放射線検査の線量や装置の利用状況,検査のプロトコールを管理・分析するためのクラウドサービス。プラットフォームにはマイクロソフト社の「Microsoft Azure」を使用。データは匿名化され個人が特定できないようになっているほか,厚生労働省,総務省,経済産業省のいわゆる3省4ガイドラインに準拠しており,個人情報を保護しつつ,高いセキュリティで安全に利用することができる。着実にユーザー施設数を増やしており,RSNA2016開幕前の時点で,全世界152施設で利用されている。日本の検査環境にも対応しており,線量管理では,DRLs 2015を用いて自施設の数値と比較するといったことも可能である。
今回のRSNA2016では,新たにプロトコールの集中管理と“イメージシェアリング”の機能が追加された。プロトコールの集中管理では,シーメンス社製モダリティの装置別・検査部位別にプロトコールを一元管理して,自動で同一の設定にできる。これにより,検査者やグループ施設内で異なっていたプロトコールを統一して,最適な条件で撮影を行える。また,イメージシェアリングは,検査画像を他施設の医師や診療放射線技師に送信して,プロトコール,画質などのセカンドオピニオン,アドバイスを受けるといった用途で使われる。これらの新機能は,日本でも今後導入される予定である。
米国や欧州で展開されているVNAサービスsyngo.shareも今回注目を集めた。DICOM画像や非DICOM画像といった検査データをVNAに保管することで,「Sense」と呼ばれるポータル画面から,患者ごとに各種データにアクセスし,表示させることが可能である。VNAなので他社のPACSとも容易に連携。画像の参照などを行う場合は,「ユニバーサルビューワ」という専用のビューワを用いる。
このほか,syngo.plaza 3D+では,従来「syngo.via Frontier」でしかできなかった“Cinematic Rendering”画像の作成が可能になった。また,「syngo.via」でもCinematic Renderingに対応した最新バージョンの“VB20”が紹介された。最新バージョンでは,インターフェイスの見直しも行われ,メニューやアイコンをカスタマイズでき,より直感的にわかりやすい操作性を実現している。