2016-11-29
カラーマップで硬さを表示する
「ElastQ Imaging」(FDA未承認)
Philips(フィリップス)の超音波診断装置エリアでは,各装置のデモンストレーションを行い,画質や機能を来場者にアピールした。
プレミアム機種としては,腹部用システムの「EPIQ 7G」を展示し,最新バージョンの「EPIQ Evolution 3.0」で実装された機能を中心に紹介した。従来から搭載されていたShear Wave Elastographyにカラーマッピング「ElastQ Imaging」(FDA未承認)が追加された。これまでのShear Wave Elastographyである「ElastPQ」では,計測に時間がかかり患者の負担が大きい点や,ROIが小さいため計測に適した場所にROIを置くことが難しいことが課題となっていた。新しいElastoQ Imagingでは,約5cm×6cmの大きな関心領域を設定でき,その中の組織の硬さをカラー(硬い:赤〜軟らかい:青)で表示できる。そして,測定したいところに円形ROIを置くことで,瞬時に硬さが計測され数値で示される。さらに,Confidence MAPというデータの信頼度をカラーで示すマップをワンボタンで切り替えられ,このマップを見てROIを置くことで,より精度の高い計測を簡便に行うことができる。フレームレートも非常に高く,カラーマップもプローブの動きを即座に追従し,ストレスなく検査を行える。これにより,慢性肝疾患のフォローアップで硬さの測定も容易に可能になる。また,画質を変えずにフルディスプレイ表示が可能なMAX View表示も追加され,大きなモニタを最大限に生かすことができる。
また,Fusion & Navigation機能も進化し,肝臓をターゲットに自動で位置合わせを行うAuto Registration機能が,従来のCTに加えMRIにも対応するようになった。なお本機能は,よりコンパクトでコストパフォーマンスに優れた「Affiniti」にも実装可能になっている。
RSNA2015で発表されたスマートデバイスを使った超音波診断装置「Lumify」(日本国内薬機法未承認)は,プローブラインナップが増え,従来のコンベックス,リニアに加えて,セクタプローブが接続可能になった。これにより,心臓も含めた全身領域の検査を施行できるようになる。Lumifyは,アンドロイド端末であれば,スマートフォンから大型タブレットまで,あらゆるサイズのスマートデバイスに対応している。手持ちのデバイスにフリーのアプリケーションをインストールし,プローブをUSB接続して,患者情報の入力(バーコードスキャンや,WiFi経由でワークリストからの取得も可能),検査領域の選択をするだけで,すぐに検査を行うことができる。対応モードはBモード(2D),カラードプラ(fast flow,slow flowの2種),Mモード。ズームアップやゲイン調整などもタッチ操作で直感的に行うことができ,動画像の取り込みや距離計測なども可能だ。エコーの活躍の場を広げることをコンセプトに開発されたLumifyは開業医や救急,往診だけでなく,教育などにも活用できると期待される。
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