2016-11-30
超音波診断装置のコーナー
RSNA2016の日立の超音波診断装置エリアでは,肝臓,乳腺,前立腺の3領域を展示コンセプトに据えるとともに,ルーチン検査での活用が期待される装置,プローブを中心に展示を構成した。
コンセプト3領域のうち,日本国内で展開するものとして,高画質・高機能を備えたコンパクトな「ARIETTA 70」に搭載されている “Shear Wave Measurement(SWM)” を大きくアピールした。日本国内では,ウイルス性肝炎は減少しつつあるものの,肝硬変の進行による肝がんは増加しており,肝線維化評価のニーズが臨床現場で高まっている。Shear Wave Measurementは,信頼性指標表示機能を搭載し,精度・再現性の高い,非侵襲的な肝線維化評価を可能にする。信頼性指標は%で表示され,50%以上でおおむね正確な計測結果を得ることができるとの検討結果が示されている(Yada, N., et al.: Oncology, 89(suppl 2), 53〜59, 2015.)。
また,肝臓の硬さは,線維化だけでなく,炎症や黄疸,うっ血なども影響することから,Shear Wave Measurementとストレインイメージングである“Real-time Tissue Elastography(RTE)”を併用することで,病態をより正確に判断することができる。
RSNA2016のブース内に設置された「Quantitative Technology Theater(定量技術シアター)」では,超音波のアプリケーションとしてShear Wave Measurementに加え, “Vector Flow Mapping(VFM)” も紹介された。Vector Flow Mappingは,カラードプラと心筋のスペックルトラッキングを組み合わせたアルゴリズムでの解析により,心臓の血流を可視化することができる。矢印で血流方向を示すベクトル表示に加え,流線,渦度,壁へのストレス,心腔内のエネルギーロスなど,さまざまなモードを表示でき,従来行われてきた心臓動態での評価以上の詳細な心機能評価が可能となる。
また,プローブの展示コーナーでは,腹腔鏡手術などで用いられる小型の「L43K」など,領域に特化した多種多様なプローブを展示し,対応力の高さをアピールした。
このほか,海外で展開しているシステムとして,乳腺専用超音波システムWhole-Breast Ultrasound「Sofia」(iVu Imaging社)と,前立腺ターゲット穿刺システム「Artemis」(eigem社)を展示。Sofiaは,これまで小型装置「Noblus」と組み合わせていたが,新たにARIETTA 70と組み合わせることで画像処理能力が向上し,約30秒で片側乳房のスキャンを完了できるようになったことが紹介された。
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