2016-12-1
VINCENTやVNAとの親和性を高めた
SYNAPSE 5の新バージョンを紹介
FUJIFILM Medical Systems(富士フイルム)のPACSとしては,昨年のRSNA 2015で先行アナウンスし,今年のJRC2016で発表されたSYNAPSE 5を中心に展示を構成した。
SYNAPSE 5は,従来からのアーキテクチャを一新しサーバサイドレンダリングによるシンクライアント化を図り,標準的な規格を採用しVNAへの対応を進めるなど,これからの医療画像情報システムの方向性を示すソリューションとなっている。RSNA 2016では日本向けの製品として,そのSYNAPSE 5の次バージョンに搭載予定の新機能がいち早く紹介された。
一つは,従来のリッチクライアントタイプのSYNAPSEでは実現されていた,3Dワークステーション「SYNAPSE VINCENT」連携の進化である。シンクライアントタイプとなったSYNAPSE 5においては,同一画面上のウインドウ内にSYNAPSE VINCENTで処理された画像データをシリーズの一つとして表示して,3Dデータの回転などの操作が可能になることを紹介した。
もう一つは,富士フイルムがテラメディカ社を買収して2015年から提供を開始しているvendor neutral archive(VNA)である「SYNAPSE VNA」に保存されたデータの参照が可能になったことである。SYNAPSE 5のリストにPACSのデータと同じようにVNA内に保存されたデータがリストされ,PACSと同様の操作,スピードで表示できる。従来は,VNA内のデータのPACS(SYNAPSE)側からの呼び出しはDICOM通信の中で行われていたため速度に限界があったが,SYNAPSE 5の新しいバージョンでは,DICOMのWeb規格であるWADO(Web Access to DICOM Objects)を採用することでスピードが向上している。
SYNAPSE VNAは,大阪大学病院に導入されたのを始め,すでに全国数か所で稼働開始している。データの長期保存やグループ病院間との連携など,施設によってニーズや用途はさまざまなケースがあることから,PACSとVNAの親和性を高めて,より幅広いニーズに柔軟に対応できるよう開発が進められている。