2014-11-25
1.100回目の記念大会は,企画も目白押し(11/25)
2.恒例のOpening SessionでRSNA100年の歴史を振り返る(11/26)
3.前回を5%上回る事前登録,出展企業は636社(11/27)
4.京都大学の富樫かおり教授が名誉会員に選出(11/28)
2014年11月30日に幕を開けるRSNA2014(第100回北米放射線学会)は,記念大会ということもあり,企画も目白押しである。
レイクサイドセンターのHall Dには,「Centennial Showcase」が設けられる。このコーナーでは,放射線医学とRSNAの歩みが紹介されるほか,バーチャルのヴィルヘルム・レントゲン氏が来場者を歓迎するという。
さらに,Technical Exhibitsの会場となるノースビルディング,サウスビルディングでは,11月30日午前11時から「Technical Exhibits Grand Opening Ceremony」が行われる。放射線医学の進歩を支えてきた技術やイノベーションを讃える開会式となる予定だ。ノースビルディングの7950番のブースは,「Wilhelm Roentgenm Laboratory」となる。このブースは,Wurzburg大学の研究室を再現したもの。また,サウスビルディングでは,Arie van’t ReitのX線アートが展示される。同氏は,オランダ出身の放射線物理学者。30点のX線画像を展示するという。
12月3日17〜19時には,ウェストビルディングのスカイラインボールルームにおいて,100周年を記念したパーティ「Sip & Savor Social」が開かれる。参加費は40ドルで,豊富なアルコール類とシカゴの一流レストランの料理が楽しめる。
一方,100回記念の専用Webサイトもオープンした。こちらでは,放射線医学とRSNAの歴史を紹介に加え,イメージコンテストといったコンテンツを用意している。
このほか,レイクサイドセンターのRSNAサービスにあるショップでは,100周年にちなんだアイテムなどを販売する。
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2.恒例のOpening SessionでRSNA100年の歴史を振り返る
RSNA 2014のテーマは「A Century of Transforming Medicine」。RSNAの100年の歩みは,放射線医学の歩みそのものであり,RSNAに世界中の研究者や臨床家,技術者が集まることで,その進化を支えてきた。
11月30日の8時30分からはArie Crown Theaterにおいて,恒例のOpening Sessionが行われる。大会長を務めるN. Reed Dunnick氏は,President's Addressとして「Reflect on the Past, Prepare for the Future」をテーマに講演する。RSNAは,1985年にヴィルヘルム・レントゲン氏がX線を発見してから20年後の1915年に,Western Roentgen Societyとして設立された。講演では,その歩みを振り返るとともに,次の100年向けて取り組むべきテーマなどが語られると思われる。
この講演の後には,米国国立衛生研究所(NIH)の所長であるFrancis S. Collins氏によるSpecial Lectureが行われる。講演のテーマは,「Exceptional Opportunities in Biomedical Research」。NIHがサポートする医用画像研究や生物学,脳科学研究などのほか,研究者の育成や企業との協力関係などについて講演する。
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100回目の記念大会となる今回のRSNAでは,事前登録者数が前年より5%多くなっている。RSNA 2013の参加者数は5万4008人であったが,今回はそれを上回ることが期待される。すでに学会側では,シカゴ市内84のホテル,13万の部屋を確保したとアナウンスしている。
学会に関しては,Scientific Papersは16の専門領域,1754の発表がある。また,Education Exhibitsは2151題, Scientific Postersは949題がエントリーしている。このほか,Refresher Coursesが225,Multisessionsが81, Series Coursesが37, Special Sessionsが39,Plenary Sessionsが6,Informatics Coursesが61,それぞれ用意されている。
一方,Technical Exhibitsには636社は出展する予定である。このうち初出展の企業は101社。日本からは根本杏林堂が初お目見えとなる。Technical Exhibits全体の展示スペースは42万6700平方フィートとなっている。なお,初日には,Technical Exhibits会場でも100周年を記念するオープニングイベントが行われる。
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100年の歩みの中で国際的な学会へと発展してきたRSNA。現在,会員数は5万人を超え,日本を含むアジアでは3300人以上が所属している。
そのため,近年は米国だけでなく,世界各国・地域の放射線医学の現状を取り上げるセッションも設けられている。2008年には,まず日本の臨床家が,最先端の研究を報告するセッションとして,日本医学放射線学会との共同企画「Japan Presents」が行われた。その後も,韓国や中国などのアジア,南米,欧州の研究者たちのセッションがプログラムされている。今回は,12月1日に「Korea Presents」,12月2日に「Canada Presents」が行われる予定である。
国際化の象徴として,日本人会員の活躍も目立っている。今回のRSNAでは,京都大学大学院医学研究科放射線医学講座の富樫かおり教授が,Honorary Member(名誉会員)に選出された。RSNA 2014の公式サイトでは,婦人骨盤部領域におけるMRIの研究成果,長年の功績など,富樫氏について紹介している。日本人のHonorary Member選出は2010年の杉村和朗氏(神戸大学)以来。表彰式は12月1日13時30分からArie Crown Theaterで行われる。
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