2024-5-10
エクセル・クリエイツブース
エクセル・クリエイツは,画像情報(DICOM,非DICOM),RIS,臨床検査,健診など病院内で発生する医療データを統合管理する「FORZ」シリーズのラインアップを中心に展示を構成した。FORZシリーズでは,放射線画像だけでなく内視鏡や超音波などビューワとレポートシステムを組み合わせた構成の端末やマンモグラフィ対応の読影システム,2023年に発売されたブラウザベースのWEB-PACSシステムなどを展示して,院内の多様なシステム活用環境に対応できることをアピールした。そのほか,FORZとの連携事例として,クリニック向け電子カルテ(ドクターソフト,油井コンサルティング)との連携や,総合受付支援システム(GRAN,ジェネシス)と健診システムの連携などを紹介した。また,エクセル・クリエイツが販売などをサポートしている,ディープラーニングを用いて開発した放射線治療計画の自動輪郭生成ソフトウエア「Ai-Seg」(開発:ひょうご粒子線メディカルサポート)を展示した。
●画像情報から健診,検査まで院内の部門システムを統合して構築可能なFORZ」シリーズをPR
統合型データ管理システムであるFORZシリーズは,画像ファイリングシステム(FORZ-PACS)やWEBビューワ(WEB-PACS)のほか,放射線情報管理システム(FORZ-RIS),レポートシステム(FORZ-Report),健診システムなどをそろえて,院内で発生する情報のデジタル保存,管理する環境を提供している。それらのデータを統合してタイムラインで表示するのが部門情報統合表示画面「Line-View」である。ブースでは,各システムのデータを連携して参照できる環境を提示して容易に情報管理が行えることをアピールした。2023年に正式リリースとなったWEB-PACSは,ブラウザを使ってアクセスでき,FORZクライアントがインストールされていない端末でも画像参照が可能な環境を構築できる。Webビューワについても,ビューワ表示速度,スクロール速度を高速化し,同期・比較表示,計測などの機能を強化し,アプリ版と遜色ない参照環境を実現していることを紹介した。
●クリニック向け電子カルテや健診予約システムなどさまざまなシステムと連携した構築例を紹介
今回のブースでは,クリニック向けソリューションとしてドクターソフトと連携した構成や,(株)ジェネシスの総合受付支援システム「GRAN(グラン)」と健診システムとの連携など,FORZを核としてさまざまな周辺システムとの事例を紹介した。
レセコン一体型電子カルテであるドクターソフトは,クリニック向けの電子カルテでは高いシェアを持つ。展示では,電子カルテ画面の「FORZ」のボタンをクリックするとFORZのLine-Viewが起動し,該当患者の画像や検査データなどを容易に参照できることをデモンストレーションした。ドクターソフトとFORZの構成では,クライアントだけでなくサーバも共用することが可能で,よりコストを抑えた構築ができる。そのほか,クラウド型電子カルテ「CLIUS(クリアス)」との連携も可能となっている。
総合受付支援システムのGRANは,クラウド型の予約・Web問診のシステムで,受付管理,予約管理,待ち表示,来院データ解析などの機能を提供する。クラウド型のため施設の必要な機能を選んで構築できるほか,端末の場所や台数に縛られずに院内のどこからでもアクセスできる。展示では,FORZの健診システムと連動した健診予約の機能を紹介した。健診の予約受付は,オプションも含めて多様なコースがあり,利用者の属性によって対象となる健診項目が異なるなど,複雑で手間のかかる業務だ。GRANでは健診システムと連携して,保険証などの情報から年齢や性別に応じた選択画面を表示して,スムーズでストレスのない受付業務をサポートする。X線検査の予約などは,一般診療の検査情報を共有して枠がかぶらないように調整したり,X線照射録管理などのシステムも提供できる。
●AI技術で放射線治療計画の輪郭作成を自動するソフトウエア「Ai-Seg」を出展
Ai-Segは,放射線治療計画の際の輪郭作成(コンツーリング)の作業をAI技術を使って自動化するソフトウエアだ。輪郭作成の対象となる臓器モデルは,頭頸部〔眼球,視神経,脳幹と脊髄,脳(脊髄液含む),脳実質,下顎骨,耳下腺,甲状腺〕,胸部(肺,気管支,食道,脊髄,心臓),腹部(肝臓,腎臓),骨盤部(前立腺,膀胱,直腸,精囊)。単純CT画像を推論対象として,教師画像には日本人の画像を使用している。開発は,ひょうご粒子線メディカルサポートを中心として,兵庫県粒子線医療センター,大阪大学,兵庫県立がんセンター,大阪国際がんセンターを共同研究機関として,NVIDIAの支援の下,同社のAI開発プラットフォームを活用して進められた。現在,公立豊岡病院,九州国際重粒子線がん治療センターなどで稼働している。治療施設の質の高い学習データを基にしたトレーニングによって高い認識精度を達成しているのが特長で,肝臓モデルでは手書きで30分以上の時間を要するところ,Ai-Segでは5分程度まで短縮できたという。エクセル・クリエイツは,Ai-Segの国内の医療機器薬事承認のサポートと販売を担当している。
●お問い合わせ先
社名:株式会社エクセル・クリエイツ
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