2021-4-18
バリアンメディカルシステムズブース
Siemens Healthineersは2020年8月,バリアンメディカルシステムズ(以下,バリアン)の株式取得に関する契約の締結を発表していたが,ITEM 2021前夜の4月15日(木)に最終手続きが完了したことが発表された。それに伴い,ITEM 2021初日の4月16日(金)にはバリアンブースにおいて,シーメンスヘルスケア(株)代表取締役社長の森 秀顕氏とバリアン専務執行役員の福島権一氏の立ち会いの下,除幕式が行われ,新生バリアンの記念すべき第1日目がスタートを切った。両社の代表者によるテープカットに続き,ブース前面上部を覆っていた幕が引き下ろされると,「varian」のロゴの下に「A Siemens Healthineers Company」の文字が現れ,両社の社員から大きな拍手が沸き起こった。
バリアンは今回,グローバルメッセージである“Intelligent Cancer Care”をブーステーマに掲げ,がん医療に貢献するさまざまなIntelligentな製品を紹介した。その代表としてブース中央に展示されたのが,3月18日に薬機法承認を取得したばかりの適応放射線治療ソリューション「ETHOS」である。放射線治療は多くの場合,数日から数週間にわたって行われるため,その間に腫瘍の位置や形状が変化する。適応放射線治療は,こうした変化に合わせて放射線治療計画を再計画し,患者ごとに最適化を図る手法であるが,再計画には長い時間と労力を要することが課題となっている。一方,人工知能(AI)の技術を応用した“ETHOS Therapy Adaptive Intelligence”について,世界に先駆けて治療を行ったデンマークの施設での文献が紹介され,毎回の位置決め画像を用いて患者がカウチ上に寝た状態のまま,適応放射線治療が15〜30分で実施されているという。なお,ETHOSのベースとなる放射線治療装置は,「Halcyon」が採用されている。
放射線治療計画システム「Eclipse」では,バージョンが15.6から16.1に上がり,GPU(graphics processing unit)が強化された。これにより,通常照射や強度変調放射線治療(IMRT)はもとより,強度変調回転放射線治療(VMAT:同社の製品名は“RapidArc”)でもGPUが使えるようになり,演算時間の高速化が図られた。
このほか,新たな小線源治療装置として,2020年9月に薬機法承認を取得した「BRAVOS」が紹介された。アプリケータの種類が従来よりも豊富になったほか,アプリケータの先端位置を自動で計測する“CamScale位置認識システム”が搭載された。
●お問い合わせ先
社名:株式会社 バリアン メディカル システムズ
住所:〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町5番1号
TEL:03-4486-5020
URL:https://varian.com/ja