2021-4-26
ニプロブース
ニプロは,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止対策として,例年よりも広く,レイアウトに余裕を持たせたブースを設けた。その中で最も力を入れてPRしたのが,循環器領域の動画像をはじめとした各種データを統合管理するMultiframe DICOM PACS「GOODNET」だ。2020年にメジャーアップデートした最新バージョン「GOODNET 7」は,新機能を搭載し,利便性を向上している。ブースでは,GOODNET 7のDICOMビューワ「GoodView」,Webソリューション「GOODNETWeb」,レポートシステム「G-Record」を紹介。さらに,GOODNET 7で利用できる統合型血管解析システム「QAngio XA」(Medis medical imaging systems社製)といった循環器領域向けシステムの解析アプリケーションの新機能をアピールした。また,2020年に発表したワイヤレスプローブとタブレット端末で構成されたモバイル超音波診断装置「ECHOMO」をITEMで初披露。このほかにも,新型コロナウイルスなどのウイルス減少に有効な次亜塩素酸水「シーエルファイン」をPRした。
●「使いやすい! の次へ」大幅に機能を強化したGOODNET 7
循環器診療を支援するMultiframe DICOM PACSとして2000年に販売が開始されたGOODNETは,着実に進化を続け,バージョンアップを重ねるごとに,ユーザーからの信頼を勝ち得てきた。その最新バージョンとなるGOODNET 7は,2020年4月に発表された。7年ぶりのメジャーアップデートとなったGOODNET 7は,「使いやすい! の次へ」をコンセプトに機能を大幅に強化。施設内でのオリジナルDICOM画像の高速配信や操作性の向上,利便性の改善を図っている。
オリジナルDICOM画像の高速配信については,WebソリューションのGOODNETWebで実現している。Webブラウザを用いるGOODNETWebでは,電子カルテシステムなど,施設内にあるHIS端末で利用でき,どこからでもオリジナルのDICOM画像を速やかに参照できるようになった。画像を参照するだけでなく,各種の計測機能を実装しており,診療に有用な情報を容易に得られるようになった。一般的に,HIS端末で使用するWeb形式ビューワは,JPEGの圧縮画像を用いており,画質の低下を避けることができなかった。GOODNETWebはこの課題を解決しており,臨床現場のニーズに応えたビューワとなっている。
また,ポータルの役割を果たす「G-NAVI」もユーザーにとって使いやすく進化した。日常診療では,診療情報提供書といった文書や心電計をはじめとした検査データなど,多種多様な情報を参照することになるが,従来これらを表示するにはそれぞれのシステム・アプリケーションからアクセスしなければならなかった。GOODNET 7のG-NAVIでは,DICOM画像以外にも,JPEG,MP4などの静止画像・動画像ファイル,PDF,Word,Excelのデータを,患者情報とひも付けて,一元的に管理を行えるようになった。G-NAVIの画面からファイルを選択して各種データを展開できる。
発表から1年が経過したGOODNET 7であるが,特にユーザーから高い評価を得ているのが,GoodViewに搭載されたパンニング撮影画像の自動結合機能である。血管撮影装置で撮影した動画像からフレームごとに静止画像にして,自動的に位置合わせを行い長尺画像を作成する。従来位置合わせは手動で行うことが多かったが,GoodViewではワンクリックで高精度の長尺画像を得られるため,作業時間を短縮でき,スタッフの労力を軽減する。閉塞性下肢動脈硬化症(ASO)などの下肢動脈インターベンションにおいて威力を発揮する。
レポートシステムG-Recordの改良も忘れてはならない。承認機能を新たに設けて,診療放射線技師などのコ・メディカルが作成した各種検査の所見レポートを医師が承認しないかぎり,出力ができないようにした。承認は,GOODNETWebから行うことが可能で,医師に負担をかけずに容易に所見レポートを管理できる。
●新機能を搭載したQAngio XAなど豊富な解析アプリケーション搭載システム
豊富な解析アプリケーション搭載システムを用意しているのもGOODNET 7の特色である。Medis medical imaging systems社製としては,QAngio XAのほか,3D心血管アンギオ画像解析システム「QAngio XA 3D」,血管内イメージング解析システム「QIvus」,MRIイメージ心機能解析システム「Medis Suite MR」がある。ほかに,Pie Medical Imaging社製の統合型心機能解析システム「CAAS」,IVUS/OCT解析システム「CAAS IntraVascular」,TomTec Imaging Systems社製の心エコー・画像解析システム「TomTec-Arena」がラインアップされている。いずれも世界的な評価を受けているシステム・アプリケーションであり,ユーザーは用途に応じて各種の解析アプリケーションをGOODNET 7から使用できる。新機能としては,QAngio XAが新バージョンとなり,バイプレーンシステムでの左室(LV)解析が可能となった。また,従来対応していなかった右室(RV)解析も行えるようになった。
●小型・軽量のワイヤレスプローブを採用したモバイル超音波診断装置ECHOMO
ITEM初登場のモバイル超音波診断装置ECHOMOは,ワイヤレスプローブとタブレット端末で構成される。ワイヤレスプローブ「ECM-LP-01」は,寸法が約171mm(高さ)×約53mm(幅)×約27mm(厚さ)で,重量が重量167gという,小型・軽量が特長。リチウムイオンバッテリーで3時間以上の連続動作が可能である。画像のモードは,Bモード,Bモードカラーに対応している。専用カプラにゲルパッドをセットしプローブに装着することで,ゼリー不要で走査を行える。Android OS搭載のタブレット端末「ECM-TB-01」は,10.1インチサイズで,重量が440g。15秒で起動して,速やかに検査を実施可能だ。循環器領域における検査や穿刺などの手技のガイドのほか,小型,軽量の特長を生かして施設内各所でフレキシブルに運用できる。また,在宅医療や訪問看護でも使用も想定される。
●COVID-19の感染防止対策に有用なシーエルファイン
COVID-19の感染防止対策は,医療機関にとって重要なテーマであるが,その対策に期待される製品として,イオンレス次亜塩素酸水「シーエルファイン」のデモンストレーションを行った。シーエルファインは,塩化ナトリウム水溶液からJIS規格に準拠した専用装置で生成し,イオンを低減した微酸性電解水。次亜塩素酸ナトリウムとは異なり安全性が高く,第三者機関による金属腐食試験や空間噴霧試験での確認も行っている。また,次亜塩素酸ナトリウムよりも次亜塩素酸の比率が高く,低濃度でも高活性である。in vitroでの新型コロナウイルス(SARS CoV-2)の減少率試験でも効果が得られている。
●お問い合わせ先
社名:株式会社グッドマン
住所:〒465-0092 名古屋市名東区社台3丁目182番地
TEL:0120-864-522
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