2019-5-10
NOBORIブース
NOBORIは,「新しい医療のカタチ」をテーマに主力サービスのクラウドPACS「NOBORI」をはじめとしたクラウドソリューションを紹介した。NOBORIは,テクマトリックスの医療情報システム事業を継承し,三井物産との合弁会社として発足から1年。ブースでは,拡大する「NOBORI PAL」のサービスや地域医療連携サービス「TONARI」,緊急時外部画像参照サービス「TSUNAGU」,さらには新たに始まった線量管理ソリューション「MINCADI」をデモンストレーションとともに紹介。これらのサービスに多くの信頼が寄せられ,実績を積み重ねていることをアピールした。
●安定稼働が評価されるクラウドPACS「NOBORI」
主力サービスであるクラウドPACSのNOBORIは,ユーザー数が900施設を超え,間もなく1000施設に届くとして,その実績を紹介した。NOBORIは,放射線科領域で発生する画像データだけでなく,医療現場で発生するあらゆる医療情報を安全に保管して活用できるクラウドサービス。コンパクト設計の専用アプライアンスであるNOBORI-CUBEを貸与し,施設に応じた種類と個数を配置してPACSを構成する。サーバの導入などの初期投資を必要とせず,医療機関の負担費用は,契約プランの月額使用料のみ。運用保守などのコストや保守業務も軽減できる。院内無制限ライセンスのDICOMビューワをはじめ,過去画像比較機能などを有する検像システム,院内全体で利用できるレポートシステムなどは基本アプリケーションに含まれており,施設の運用に合わせて使用可能である。NOBORI-CUBEは,耐障害性に優れたSSDをストレージに採用。さらに,データセンターから常時監視することで,万一の障害をいち早く検知することができる。
ブースでは,“未参照通知機能”が紹介された。依頼医が電子カルテにログインすると,重要とされるレポートをポップアップ通知する。少しでも開けば参照済みとはならないよう「参照済にする」ボタンが設けられている。レポート作成時には,通知先の変更や重要フラグ,通知メッセージなどの設定が可能である。また,管理者側からも状況を確認することができ,未参照レポートの低減に寄与する。
●医療の便利が集まる「NOBORI PAL」
医療機関を支援するためのサービスをセキュアな環境下で,かつ低コストで利活用するためのプラットフォームとして提供しているNOBORI PAL。自社サービスにとどまることなく,NOBORI PALに集まった各社の高品質のサービスをニーズに応じ,地域医療連携室や事務部門などの幅広い職種で安全・簡単に低コストに利用することができる。
特に強化しているサービスはAI。ブースでは,NOBORI PALに今後加わる予定のAI技術などを紹介し,韓国VUNOの胸部CT・胸部X線画像の診断支援技術,米国Enliticのディープラーニングを適用した診断支援技術(薬機法未承認含む),エルピクセルの脳動脈瘤診断支援技術,パナソニックの胸部CT類似症例検索サービス(W.I.P.),東陽テクニカの胸部X線読影支援ソリューション「ClearRead XR-PAL」,アドバンスド・メディアの音声入力サービス「Ami Voice CLx」のデモンストレーションが行われた。
●クラウド型線量管理ソリューション「MINCADI」
今回,新たにNOBORI PALに仲間入りしたサービスとして紹介されたのがMINCADIである。4月11日に資本・業務提携を発表したA-Lineの線量管理ソリューションである。
MINCADIは,CTなどの医用画像から得られる撮影情報を自動的に取得し,患者の被ばく線量や検査の撮影状況をクラウド上で管理する。医療被ばくの最適化を図るとともに,患者にも被ばく情報を還元できるソリューションである。“Aline-ment”機能を用いて施設で異なる検査名やプロトコールを統合することで,他施設の同じ画像診断装置で行われた検査との線量比較を行える。Aline-mentは,検査名などを一度統合することで2回目以降の作業は自動化される。ブースでは,今後,線量と画質の評価にAIを応用する可能性もアピールした。
NOBORIでは,今回の提携によって,2020年4月から始まる被ばく線量の記録および最適化をめざした管理の義務化に向け,全国的な統計データベースの充実,放射線画像診断と医療被ばくの正当化に貢献していくとしている。
なお,MINCADIは,線量記録・管理が義務化されるモダリティだけでなく,一般撮影装置,マンモグラフィ,透視撮影装置などの管理も可能である。
●お問い合わせ先
社名:株式会社 NOBORI
住所:〒108-0073 東京都港区三田3-1-24
TEL:03-4405-7834
URL:nobori.ltd