2018-5-2
NOBORIブース
テクマトリックス社の医療情報システム事業部門が独立した「株式会社NOBORI」が,新会社発足後初めてITEMに出展した。新会社はテクマトリックス社の100%子会社で,三井物産との合弁会社として業務提携を締結している。今回は社名にもなっている主力のクラウドPACS「NOBORI」をはじめとするシステム,サービスの実績を紹介。さらに,三井物産との業務提携により,医療現場のニーズに応え,サービスを拡充していくことをアピールした。
●主力サービスの「NOBORI」を社名に新たなスタート
新会社の社名にもなった,クラウドPACS「NOBORI」は,サービス開始以来ユーザー数を増やし続け,2018年1月時点で720施設を超えた。ブースでは,ビデオによる三井物産との業務提携の経緯やクラウドPACSの信頼性を上映した。
三井物産では,次世代ビジネス創造をめざして社内にイノベーション推進委員会を発足させ,さらに,社内の枠にとらわれないイノベーション推進案件を取り扱う活動「Karugamo Works」を2014年から展開している。このKarugamo Worksにおいて「医療×AI」というテーマを取り上げ,30ほどの候補の中から,テクマトリックス社の画期的なクラウドPACSが選ばれた。そして,1年半ほどの協議を重ねた後,今回の提携に至った。新会社であるNOBORIはテクマトリックス社の医療情報システム事業を引き継いでいく。プレゼンテーションの映像では,これまでと変わらないサービスを提供していくとともに新しい事業開発も積極的に行っていくことがアナウンスされた。
これを踏まえ,ブース内では,クラウドPACSのNOBORIを中心に,医療サービスプラットフォーム「NOBORI PAL」や地域医療連携サービス「TONARI」の新機能などが紹介された。また,遠隔画像診断支援サービス「医知悟」では,新しい機能として,病理画像の遠隔診断を紹介した。一つのビューワでベンダーの仕様に依存せずに病理画像を参照できるため,業務時間の短縮が実現する。
●クラウドならではの利便性・信頼性が高いサービスを提供できるNOBORI
NOBORIは従来と同様に,ユーザーにとって安全で負担の少ないサービスとして提供される。院内サーバは不要で,専用アプライアンスの「NOBORI-CUBE」を必要な種類と数に応じて配置してPACSを構成する。クリニックから大規模病院までに対応。院内サーバと同等のスムーズな配信速度で,画像を表示する。
ビューワ,レポート,MWM,検像などの主要なアプリケーションは基本契約に含まれており,ライセンス数を気にすることなく施設の運用に合わせて必要な機能を使用できる。また,症例データベース構築,医療情報統計といったデータ分析も行えるほか,外部医療機関との連携,患者とのコミュニケーション支援にも対応する。
●サービス拡大を続ける「NOBORI PAL」
NOBORIのセキュアな環境下で各社のサービスを使うことができるプラットフォームのNOBORI PALでは,新たに加わるサービスのデモンストレーションが行われた。メディカル・データ・ビジョン社の「カルテコ」は,診療記録モジュールを通じ医師と患者が診療情報の共有を図れるWebサービス。患者自身が,医療機関の情報や疾患名,検査結果,処方薬,画像などの診療情報の一部を保管,閲覧できる。医師の判断より共有しない情報は,閲覧できないように設定できる。患者はスマートフォンなどから利用可能である。
NOBORI PALに仲間入り予定として,パナソニック社の胸部CT類似症例検索サービスが紹介された(参考出品)。AI技術によって,読影画像に類似する症例や文献を迅速に提示可能で,診断を支援する。胸部CT画像の類似画像の検索が可能で,びまん性肺疾患など12種類の主要病変のパターンに対応している。
また,頭部MRA画像から血管の瘤状の変形が疑われる部分を検出することで脳動脈瘤の診断支援を行うとして,エルピクセル社のAI技術を活用した脳動脈瘤診断支援技術の開発技術も紹介された(薬機法未承認)。
すでにNOBORI PALの仲間である各社のサービスとしては,胸部X線読影支援ソリューション「ClearRead XRシリーズ」の「ClearRead XR-PAL」(東陽テクニカ社),音声入力サービス「AmiVoice CLx」(アドバンスト・メディア社),画像処理3Dワークステーション「Myrian」(フランスIntrasense社)などがある。ブース内では,その紹介も行われた。
●お問い合わせ先
社名:株式会社NOBORI
住所:〒108-0073 東京都港区三田3-11-24 国際興業三田第2ビル
TEL:03-4405-7834
URL:http://NOBORI.ltd