GEヘルスケア・ジャパン　ITEM2018　取材速報

2018-4-14

GEヘルスケア・ジャパンブース

GEヘルスケア・ジャパンは前回同様，“Partners for Better Health”を展示テーマに掲げて展示を構成し，来場者を迎えた。同社は2017年3月には国立循環器病研究センターとの次世代病院システム構築とオープンイノベーション推進の包括協定を締結するなど，近年日本国内の大学や研究機関，中核病院，企業とのパートナーシップを強化している。ITEM直前の4月11日に行われた成長戦略発表会では，多田荘一郎代表取締役社長兼CEOが，同社の提供するプラットフォームと顧客や企業とのパートナーシップによるエコシステムを構築し，プレシジョンヘルスを提供していくことをアピールした。プレシジョンヘルスに向けては，同社の技術を生かして検査，診断，治療，予後のすべてをつなぐソリューションを提供していくという。今回の展示でも，このような同社の姿勢が強く感じられる新製品・技術が来場者に紹介された。

新製品・技術で最も注目を集めたのがMRIである。昨年の北米放射線学会（RSNA 2017）で話題を呼んだ，最新のコイル技術“AIR Technology”が今回，初めてITEM会場に登場した。1チャンネルあたり45gという軽いコイルと開発。被検者の負担を軽減するだけでなく，身体に密着させられるので，画質の向上にも寄与する。同じく，AIR Technologyを採用したヘッド用コイルも展示された。さらに，MRIの新製品として，「SIGNA Voyager G2」も展示された。G2は“第2世代（generation 2）”を意味する。静磁場均一性，傾斜磁場，RFに最新技術を採用。さらに同社MRIのプラットフォームである“SIGNA Works”も搭載される。MRIでは，実機展示はなかったが，1.5Tの「SIGNA Artist」も紹介された。

CTのコーナーでは，“最新技術で個別化医療を支える”をテーマに展示が行われた。新製品としては，「Revolution」シリーズの新製品「Revolution Frontier」が展示された。“Gemstone”検出器を採用。検出器幅40mm×128chのCTで，回転速度は0.35mmとなっている。デュアルエナジーCTにも対応している。

マンモグラフィも新製品が披露された「Senographe Crystal Nova」は，上位機種の技術を搭載しながらもコンパクト化が図られている。また，高いスループットも特長で，1時間に18件の検査を施行できる，検診向けの装置となっている。また，「Senographe Pristina」のオプションとして提供される被検者が乳房の圧迫を調整できる「Self-Compression」も展示された。
血管撮影装置では，肝疾患におけるアプリケーションが紹介された。術者に応じて画質を調整できる“myIQ”や金属アーチファクトを低減する“MAR”，体動補正により息止め困難な患者に対してコーンビームCTが施行できる“Motion Freeze”の3つのアプリケーションにより，インターベンションの手技を支援する。

超音波診断装置では，フランスEchosens社製「FibroScan」モジュールとshear wave elas-tographyが可能な「LOGIQ S8 FS」や救急領域向けの「Venue」，ポケットサイズのコンパクト装置「Vscan Extend」のデモンストレーションが行われた。

また，核医学装置では，半導体検出器搭載のPET/CT「Discovery MI」が展示されたほか，同社PETが国内に導入されてから25周年を迎えたことなどが紹介された。

こほのか，ヘルスケアITのコーナーでは，放射線部門の検査情報からデータを解析し経営管理に役立てられる「Applied Intelligence」，DICOM画像だけでなく文書などのデータを一元管理できる「VNA＋PACS」，ベンダーに依存しない画像管理を行える「OCDB（Open Connect Databese）」を提案した。