2018-4-15
富士フイルムメディカルブース
富士フイルムメディカルは,例年同様「Value from Innovation〜医療のいちばん近くから,次代を見つめる〜」をテーマに,モダリティソリューションとITソリューションで展示を構成した。
モダリティソリューションでは,ヨウ化セシウム(CsI)とガドリニウムオキサイドサルファ(GOS)の2種類のX線検出部を積層した“デュアル構造”を採用したカセッテDR「FUJIFILM DR CALNEO Dual」を展示した。CALNEO Dualでは,特性の異なる2種類の検出部から得られるデータを利用して,エネルギーサブトラクション(ES)技術を適用することで1回の撮影で高精細な一般撮影画像と骨強調した骨密度測定用の画像を取得できる。従来の骨密度測定のワークフローを変える製品として期待される。
また,同社の静止画像で培ってきた画像処理技術を,動画像に応用し従来にない高画質を可能にする外科用Cアーム型デジタル透視システム「COREVISION」シリーズも初出展した。COREVISIONでは,新X線動画処理エンジン「Dynamic Core Engine」によって,低線量で高コントラストのX線動画像が取得できる。12インチ相当のパネルを搭載し180°のスキャンを行うことで術中の3D画像が取得できる「COREVISION 3D」,スタンダードモデルの「COREVISION LD」,省スペースの「COREVISION SD」をラインアップする。
マンモグラフィでは,デジタル式乳房用X線診断装置「AMULET Innovality」向けの新たなオプション機能として“Comfort Comp(圧迫自動減圧制御):なごむね”“乳腺量測定機能”“トモシンセシス撮影用固定フェースガード”“CEDM機能”“S-view+”などを中心に展示を構成した。なごむねは,“ヒステリシス現象”によって同じ圧迫力でも1回圧迫したあとの減圧時の方が乳房の厚みが薄くなる特性を生かし,最大圧力時間を短縮する仕組みだ。特別な手順や機構は必要なくボタン操作で適応できるため,従来の撮影のワークフローを変えることなく,患者の負担を軽減できるのがメリットだ。
ITソリューションで大きくフィーチャーされたのが,富士フイルムが提供する人工知能(AI)技術である「REiLI」である。富士フイルムがCRの時代から取り組んできた医療画像領域での画像処理,画像認識をベースにして,さまざまなAIの知見を取り込みつつ,さらなる高次元をめざす画像処理技術のコンセプトを紹介した。REiLIでは,解剖学的構造の自動認識,病変の検出・計測の支援,レポートの自動作成の支援などをめざして開発を進めていることを紹介した。
そのほか,SYNAPSE VINCENTの新バージョンに搭載される“4Dフロー”“IVRシミュレーター”を展示。また,SYNAPSE 5も新バージョンの機能が紹介され,ワークリスト画面の視認性の向上,左右対称のレポートレイアウト,PACSビューワ内でSYNAPSE VINCENTのシンスライスデータを処理できることなどをアピールした。
●お問い合わせ先
社名:富士フイルムメディカル
住所:東京都港区西麻布2-26-30
TEL:03-6419-8033
URL:http://fms.fujifilm.co.jp/index.html