2016-4-28
フォトロン メディカル イメージングブース
フォトロン メディカル イメージングは,「驚きと感動を与える新たな価値の創造」をブーステーマに掲げ,循環器向け動画ネットワークをコアとしたトータルシステム「Kada-Solution」を中心に展示を行った。ブース正面には「進化し続けるKada-Solution」と題した大きなパネルを掲示し,新製品の透視録画/配信システム「Kada-Rec2」の脳神経血管内治療への展開など,各製品の進化をアピールした。(4月15日取材)
●4チャンネル同時収録を可能とし,脳神経血管内治療に対応した「Kada-Rec2」
従来,血管撮影装置は診断目的で使用されてきたが,治療目的での使用の増加に伴い,近年,インターベンションの治療経過の記録を目的とした透視像の保存へのニーズが高まっている。同社では以前から,そうしたニーズに対応するべく透視像を効率良く保存し,迅速な参照および容易な編集を可能とする循環器向けの2チャンネル同時収録が可能な透視像録画/配信システム「Kada-Rec」を販売していたが,今回,Kada-Recをブラッシュアップし,新たに1920×1080ピクセルの映像信号を最大4チャンネル同時収録可能としたことで脳血管内治療に対応した「Kada-Rec2」を発表し,2016年3月下旬から販売を開始した。
通常,血管撮影装置には透視像をすべて録画する機能は搭載されておらず,また,一連の手技をすべて録画してサーバに保存するとデータ量が多くなりすぎるという課題があった。そこで,Kada-Rec2では血管撮影装置のフットスイッチと連動させ,X線を曝射している間のみ録画し,曝射終了後,ほぼリアルタイムにMPEG4に変換し1つのファイルとして記録・管理することを可能とした。録画は系統ごとに独立して行われ,作成された映像ファイルはタイムコードを付加した上でサムネイルとして一覧表示されるため,目的の映像のみを容易に検索し出力することが可能となる。これにより,必要な映像のみを選択してサーバに保存したり,学会発表や教育目的に二次利用することが容易に可能となる。また,オートリプレイ機能により透視を中断した直後に収録した映像が自動再生されるほか,4系統の映像を同期させて最大4画面まで同時に再生することができる。
なお,Kada-Rec2では今後,循環器領域に対応した2チャンネルのバージョンの発売も予定している。
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●Mac版の配信を開始したマルチモダリティ対応DICOM動画/静止画ビューワ「Kada-View」
DICOM動画/静止画ビューワであるKada-Viewは,血管撮影装置やIVUS,超音波,CT,MRIなどマルチモダリティに対応しており,快適な表示とKadaインターフェイスによる直感的な操作性が特長である。今回のITEMでは,先進の設計思想に基づくマルチプラットフォームにより,Windowsはもとより循環器科医が使用することの多いMacでも,同じユーザーインターフェイスでの使用が可能となったことがアピールされた。Mac版は2016年4月から提供が開始される。また,今後はiOSやアンドロイドへの対応も予定されており,ブースではそれを見据えてタッチスクリーンでの操作がデモンストレーションされた。
Kada-Viewの最大の特長であるKadaインターフェイスでは,パンやズーム,フィルタ処理,輝度調整といった画像処理の基本的なコマンドを画面上の9エリア(もしくは5エリア)に割り当てており,そのエリアをマウスでドラッグもしくはタッチすることで容易に操作することができる。コマンドをボタンやメニューから選択する必要がないため,画像から目をそらさずに操作できるほか,各エリアへの機能の割り当てを柔軟にカスタマイズすることも可能である。また,Direct Access Barにより,ワンクリックあるいはワンタッチで患者検索や動画/静止画表示,全画面表示への切り替えも瞬時に行うことができる。サーバへのアクセスも高速化しており,過去画像との比較も容易に可能である。
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●WebによるDICOM画像配信に対応した高機能DICOM動画サーバ「Kada-Serve」
Kada-ServeはDICOM動画サーバとしての役割はもとより,Webサーバ,マルチゲートウェイサーバ,レポートサーバと1台4役のコストパフォーマンスを提供している。Webサーバには,ネットワーク上の端末でKada-Viewと同等の操作が可能な“Kada-View Web”が搭載されており,従来はKada-Serveに保存されたWMVデータで院内のさまざまなシステムと連携していたが,近年,各医療機関の院内ネットワークのインフラが整ってきたことから,DICOMでの動画像配信を開始したことがアピールされた。これにより,院内各所の端末にて画像劣化のない高画質な動画像が参照可能となった。
●循環器領域向けレポーティングシステム「Kada-Report」のver.4を参考出品
Kada-Reportは循環器領域向けのサーバクライアント型レポーティングシステムで,Kada-ViewやKada-Serveとのシームレスな連携により臨床画像を添付したレポートの作成や管理,参照を容易に可能とする。レポート作成時には,Kada-Viewにて取り込みたい画像を表示しKada-Reportの取り込みボタンを押すだけで,ビューワ上での変換作業を行うことなく容易に貼り付け可能なほか,作成されたレポート情報の院内ネットワークやWeb上での共有,レポートサマリをPDFやXML形式で出力し電子カルテなどに登録,レポート上の検査動画像をワンボタンでKada-Serveから自動検索しKada-Viewにて参照,といったシームレスかつスピーディな運用が可能である。
また,今回参考出品されたKada-Report4(発売時期未定)では,予約のカレンダー表示機能が充実した。従来は所見一覧から予約患者を選択していたが,カレンダー表示としたことで検査日から患者選択が可能となった。また,Kada-ReportはFileMakerプラットフォームを採用しているが,Kada-Report4ではFileMakerのver.14となったことで新たに搭載されたポップオーバー機能が使用可能となった。これにより,従来は画面上にすべての入力項目を表示し,タブでめくるなどスペース上の制限があったが,Kada-Report4では常に表示するべき情報以外は必要なときだけポップオーバーにて表示可能となり,入力画面が以前よりもすっきりとした。また,従来,エコーの所見は心エコーのフォームが中心であったが,新たに下肢動脈や下肢静脈などが追加された。
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●循環器領域における最新の解析ソフトウエア“3mensio structural Heart”などを紹介
同社では海外企業の最先端の循環器領域向け解析ソフトウエアを提供しており,今回はTAVI解析の“3mensio structural Heart”,IVUS解析の“IntraVascular”,エコー解析の“TomTec”などを紹介した。なかでもTAVI解析の3mensio structural Heartは,TAVIを支援するために開発されたもので,世界的にも評価が高く,著名な医師が多く使用していることから,国内でも注目されている。わずか数秒で上行大動脈を分離・描出し内腔中心線を求める自動描出機能や,大動脈弁の評価に適した多数の測定ツールによる解剖学的評価,大動脈弁およびその周辺を切り出して描出し,さまざまな角度からの観察と形態情報の把握が容易な“Hockey Puck View”などにより,大動脈弁やアクセスルートを迅速かつ簡便に視覚化し,分析することができる。これにより,術前シミュレーションの時間の大幅な短縮とワークフローの効率化に貢献する。
また,同社は,日本心臓血管3次元モデル研究会とスポンサーシップ契約を結んでおり,今回,試験的に3mensio structural Heartの解析結果を基にした大動脈弁の三次元モデルを参考展示した。今後,同研究会とともに三次元モデルの臨床活用に向けた検討を行っていくという。
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●お問い合わせ先
フォトロン メディカル イメージング株式会社
住所:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング21F
TEL:03-3128-6282
URL:http://www.kada.org